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米国の対外政策

米国は、国内の混乱が増すと、国内での特別給付などに予算が回り、軍事費や援助費を減らすしかない。このため、国外の問題を解決する能力は大きく減退する。

しかも、国務長官にはスーザン・ライス氏が予定されている。オバマ政権下の補佐官で中国寄りの姿勢であったが、どうなるのであろうか?

このようなことで、中国は南シナ海の占有を強化し、次に西太平洋の覇権を徐々に取りに来ることが想像できるし、台湾への締め付けを強化することになる。同時に尖閣諸島への締め付けも強化してくる。

コロナ感染拡大で、欧州も景気後退して、米国と同様に特別給付を追加で行うしかない。コロナ拡大による行動の制限などで欧州経済も大打撃になる。

このため、欧米諸国の外交能力がなくなり、自由主義圏ではコロナ感染が比較的少ない日本が中心になって、外交能力が高めるしかないことになる。

しかし、中国包囲網などの外交的な動きは米国と協調して行う必要があり、米国の戦略を確認するまでは、動けない。

ということで、中国とロシアは、欧米衰退で、大きなチャンスが訪れている。

日本の対応

米国の大統領選挙結果で、菅首相は、トランプ氏とは相性が合わないが、オーソドックスなバイデン氏とはトランプ氏より相性が合うと思う。

トランプ大統領が再選になったら、安倍前首相の再登板もあったが、バイデン氏なら、その必要はない。しかし、トランプ大統領は、2024年の大統領選挙に出馬すると述べているので、2024年に当選したら、安倍首相の再登板もあり得る。

あとは米国の動向を見て、それに適合して、日本の戦略を考えていくしかないが、徐々に米国の衰退が起きているので、日本は自立した軍事・経済システムを確立しないといけない。

中国とも、付かず離れずの関係を構築する必要があるかもしれない。

グレート・リセット

5月の次期ダボス会議でのテーマになる。今までの資本主義を変えるという。GDP成長から生活の質向上を目指す必要があるという。

2019年11月時点で、世界の国と企業、個人の債務残高が250兆ドルになっている。その上に、このコロナ感染拡大で、政府も企業も個人も借金を増やしている。

このため、米国の国民の多くが借金地獄になっている。このため、個人の借金を解消する徳政令を言い始めている。富裕層から貧困層への富の再分配までもテーマになっている。そうしないと、コロナの影響で、欧米の中間層まで没落することになるからだ。

というように、グレート・リセットとバイデン大統領の政策は似ているし、富裕層の少ない比較的平等な現在の日本を目指しているとも見える。日本も環境政策を重視するとグレート・リセットを見て宣言した。よって、環境重視・国民皆保険などの政策が米国でも実行されることになるのであろう。その分、軍事費が削減されることになる。

米国がサンダース的政策を打つので、それをダボス会議で権威付けして、世界的にそれを広めようとしているようにも見える。

どちらにしても、新自由主義的世界(米国)から統制的資本主義の世界になる。個人の自由を確保しつつ、統制された社会が来る。中国のような個人の自由を制限、監視社会にだけはしてはいけない。

この社会を、このコラムで述べていたが、世界的に言われることになるようだ。

さあ、どうなりますか?

image by: Alex Gakos / Shutterstock.com

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