下請けに訴えられるアップル、感謝されるトヨタ。違いは何か?

 

コラボレーション 

話変わって、我が国でもっとも『鬼に金棒』という言葉がふさわしい企業はどこかを考えてみたのです。そこでとうぜんとして浮かび上がってくるのが「従業員を知識労働者として育成し活躍の場を与える」とする「トヨタ」となると思うのです。さらに、協力会社さえも“知識型企業”に変身させてもいます。

あるべきの“ビジョン”こそが“よき人材”を「惹きつけて」「育成の基盤づくりをして」「場を与え支援して活性化される」ですが、はてさてトヨタは、どんなビジョン(基本理念)を掲げているのか。

「基本理念」5番目と7番目にこのように記されています。5番目には「労使相互信頼・責任を基本に、個人の創造力とチームワークの強みを最大限に高める企業風土をつくる」とあり、7番目には「開かれた取引関係を基本に、互いに研究と創造に努め、長期安定的な成長と共存共栄を実現する」とあります。

トヨタの「サプライヤーズ・ガイド」に「世界最適調達の仕組み」として2つの「支援プログラム」が掲げられています。

・競争力のある新規サプライヤーや新技術を発掘するための「新サプライヤー・新技術開発プログラム」
・世界でベストな現行サプライヤーの競争力がさらに向上するように支援するための「現行サプライヤーへの改善支援プログラム」

このプログラムにより行おうとしていることについて、「新規と現行のサプライヤーがお互いに切磋琢磨することにより、世界から最も競争力のある部品調達するようになります。」としています。毎年2回のコストダウン要求をしますが、サプライヤーが切磋琢磨で実現したコストダウンは一定期間利益として残すのを認めています。

トヨタと協力会社の関係は「競争」と「共創」の日々のなかにあり、本体と協力会社さらに協力会社間に厳しい切磋琢磨の競争の関係があり「トヨタという“ブランド”」に誰が一番“貢献”するかによって現実的に調達が決めらようになっており「共創」が行われます。本体はより良く「共創」が実現されるように、厳しい支援も行います。

こんな話が、銀行が融資をしようと「トヨタの一次下請けは無理としても二次下請けにも食い込めない。トヨタの系列は財政が健全で金を借りてくれないんですよ」という嘆きです。ここで言いたいのは「競争」と「共創」でお互いを切磋琢磨し続け、持続的な世界的な競争力を成長させているということです。

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