フロイトに抱いた違和感。米国人博士がポジティブ心理学を創設した理由

 

20世紀の心理学は、フロイトの理論が心理学や精神医学に深く浸透しているとセリグマンは述べています。フロイトは、人間は様々なネガティブ感情を持っていて、その感情を抑えようと葛藤するエネルギーが行動と結びついていると主張しました。それゆえに診療の場では、症状の原因を特定するために、患者の過去や幼児期の出来事が徹底的に洗い出され、それを克服するような治療方針をとることになるのです。

セリグマンはそこに疑問を抱きました。人間は善悪双方の特徴を受け入れて進化してきており、その二面性を捉えることこそが大切であると考えたのです。そして、「ただ苦悩を和らげるだけでは、苦しみ、不幸になっている人びとを救うことはできない。本当に必要なのは、その人の幸せを理解し、築き上げることである」という考えに至ったのです。

最高のセラピストとは、ダメージを癒やすだけではなく、患者のポジティブな特性を見つけ出し、築き上げる手助けができる人だと。そして、誰もが元来もっている特別な能力を自覚し磨き上げ、それらを日々の仕事や営みに役立てて初めて、本物の幸せを手に入れることができるのだと考えたのです。セリグマンは、人間の心はいつでも変えられる。人々の願いを叶えるもの、それが「ポジティブ心理学」であると述べています。


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