カギは「生産性」あの伊藤忠商事が「万年4位」からトップに立てた秘訣

 

2.会議と書類は最低限

フレックス制度の廃止と朝型勤務にシフトして成果が上がると、次は会議と書類の徹底的な削減します。

上の人間は暇になると不安になって会議をします。そのために関係部署の人間は資料を作り、会議を開く。そこで挙がった数字など絵にかいた餅で何も残らないが、上司は会議を開いたことで安心する。それでは部下の生産性など上がるはずもない。そこで、会議の削減と、書類作成の削減を大々的に進めました。

3.社員が誇りに思える会社にする

社員が自分の会社を誇りに思えるかどうかが大切です。

「三菱に落ちたから伊藤忠に来た」などという意識が定着したら、社員の誇り、モチベーションが高まりません。そのために数字にこだわります。

純利益でトップ、株式時価総額で業界トップ、給与でトップ。そうすることで就職先人気企業ランキングでもトップに立てるし、社員が奮起します。

書類作成や会議の頻発などのムダをなくし、数字の追及にとことんこだわる。このあたりは同じく業界トップ企業を果たした日本電産の永守会長や、ファーストリテイリングの柳井社長とも共通した哲学です。2番手、3番手などに価値はない。業界1位にこそ価値がある、という哲学です。

そのために岡藤会長は役員、社員に「人の倍働け。そうすれば給料は1.5倍出す」と言ってモチベーションを上げました。

4.企業ブランディングを磨く

社員の心をひとつのベクトルに向かわせることで、団結心、集中力に拍車をかける。B2Bなので消費者とは関係はないものの、顧客企業や業界、広くは日本全体に“いい会社だ”と信頼して頂くために企業ブランディングを磨く。

そのために企業広告として「ひとりの商人、無数の使命」という全面広告を載せました。東京ディズニーランドが清掃の基準として“赤ちゃんがハイハイできるか”というコンセプトを設定しているように、企業にひとつのイメージを植え付ける。商人として誇りと重さを一言に凝縮することで、会社の姿勢を貫徹させる。

これが企業イメージの向上や、社員の団結心、チームワークに拍車をかけます。分かりやすい言葉で完結に会社のめざす方向性をアピールすることの大切さです。

5.女性が活躍しやすい制度をつくる

日本の大企業が世界の企業に対して遅れている原因のひとつに、“昭和のオヤジ”が大挙して経営陣に座っており、異質な考え、多様性のある考えが経営に出てこない、という弊害があります。

商社の役員リストなど見れば、ほぼ99%が年配の昭和のオヤジのみで、女性も外国人も姿がありません。この環境からは、多様性も柔軟な発想、アイデアも浮かぶはずがありません。

朝型勤務制度を導入させてから、子育てをしている女性社員が目に見えて輝きだしました。午前6時半に出社して、子供を事業所内保育所に預け、会社が提供する朝食を食べて、仕事にかかる。

午後3時すぎには子供を連れて退社し、スーパーで買い物をしてから家族との時間が過ごせる。この改革で女性が活躍できる組織の素地が出来ました。総合職採用の女性比率の目標、女性役員の登用目標だけつくるのではなく、実際に女性が働きやすい制度をつくることが大切です。

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