ロシアの進軍は不可避だったのか。今ふり返るウクライナ侵攻前夜

 

「デモくらジオ」(2月25日)から

えーと、ロシアのウクライナ侵攻の今現在の状況は、これは軍事侵攻があるのではないかと言っていた人の中でも多数派が想像したものとは懸け離れた、考えられる最大規模のものになっているようです。

キエフという大きな町がありますけれど、そこに対する攻撃がまさに行われていて、激しい戦闘になっているようです。それから南部のオデッサという有名な町がありますけれど、そこにもどうやらロシア軍が上陸している。今、主に3方から攻め込むような格好になっていて、攻め込めば当然ウクライナは自前の軍隊を持っている国ですから、当然戦闘になるわけですけれど、侵攻するぞとプーチン大統領が言ってからおよそ3時間の間に制空権を握ったとロシア軍は発表しているようです。(制空権を握るには)色んな方法があるのでしょうけれども、電子的なやり方を含めて制空権を握った。ということは飛行機が自由に飛べる。戦車部隊が突っ込んでいく前に当然空爆が行われているのでしょう。何か、こういうふうに都会に対する攻撃があからさまに、あちこちでビルが倒壊するようなボカスカやるような、こういう戦争のイメージというのは、湾岸戦争以来ですかね。非常に大きな戦闘行動が現に行われているということです。私は、こういう海外の問題、ロシアやウクライナの専門家でもないですし、軍事の専門家でもありませんから、正直言えば分からないことだらけなのですが、そんな私でもこの間のメディアの状況を見ていて感じることがありますので、それを中心に冒頭、少し申し上げたいと思っています。

そうですね、もともとロシア、あるいはウクライナに関する情報というのは、日本のテレビ、新聞その他のメディアの中で扱われる頻度が非常に低かったですよね。とくにウクライナに関してなどは、ほとんど何もないに等しい状況だった。2014年ですかね、今回の問題の一つの、どう言ったらいいのか、きっかけですが、クリミア半島の一件、それからその後に続いた東部二州、ルガンスクとドネツクですか。ここでの親ロシア派とウクライナ政府軍との戦闘、そういうことについては折に触れて報じられることがありましたけれど、もっと大きい視野でというか、ソ連邦が崩壊して以降の流れの中で、なぜ、常識的に考えてこれほど無謀なことをプーチン政権がやるのかということについての分かりやすい解説は特になかったのではないかと思います。あってもおそらくあまりそこに関心を持たれなかった状況があったのではないでしょうか。今回のことがあって、私なども初めて意識したことですけれど、クリミア半島の一件があり、その後の停戦合意があり、さらにそれが破られる状況の中で、ウクライナの政権が「先住民法」、つまりウクライナに元々いる民族を法律で決めるということがあり、ウクライナ人はスラブ系ではありますけれど、ロシア人とは相対的に区別された存在としてのウクライナ人、他に確か全部で3つくらいあったと思うのですが、クリミアのタタール人、トルコ系の人たちだと思いますけれど、その人たちも先住民に入った。で、ロシア人が人口の20%もいるはずなんですけど、人口が4,300万くらいですか、そのうちの20%くらいがロシア人なんですが、これを排除した(先住民族に入れなかった)ということがあり。それに対してプーチンが、大統領が論文を書くというのもすごい話ですけど、ウクライナはもともとロシアが作った国なんだと、確かそういう趣旨を含む論文を書いて反論した。ウクライナという場所を巡って、そのようなやりとりというか、攻防がかなり前から始まっていたということがあります。

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