コロナで動きが止まった世界が炙り出す、日米中露が隠してきた「本当の顔」

 

2.分断された米国が見えた

米国は、世界一の軍事力と経済力を持つ超大国だ。そんな米国も一枚岩ではなかった。米国大統領選挙では、分裂した米国の姿が露になった。

分裂は政党や政治家間だけではない。マスコミの偏向報道も目立った。特にトランプ大統領への攻撃は熾烈なものだった。キャスターはトランプ大統領の演説を途中で遮り、メガテック企業は現役大統領のアカウントを停止し、言論を奪ったのだ。

米国国内の分断は、米中分断にもつながっている。トランプ氏は中国を敵とみなし、ロシアに対しては比較的友好的だった。バイデン氏は、中国には融和的な姿勢を見せる一方で、ロシアに対しては徹底的に敵対している。

現代は、国家という組織とは別に、多国籍企業や国際金融資本など、世界的に強大なパワーを持った勢力が存在する。

それも世界が止まってから、見えてきたことでもある。

米国は超大国であるからこそ、大統領でさえも全体をコントロールできない様々な強大なパワーが渦巻いているのだ。

3.孤立するロシアが見えた

ロシアのウクライナ侵攻は世界を驚かせた。まさか、世界の眼前でロシアという軍事大国が堂々と戦争を仕掛けるとは思っていなかったからだ。

西側諸国の政府及び主力メディアは、独裁者プーチンが一方的にウクライナを責めたてていると報じている。しかし、90年代初めにNATOは東方拡大しないとゴルバチョフと約束しながら、それを反故にしている。更に、ウクライナは、ドンバス地域での戦争を終わらせることを目的としたミンスク合意を履行していない。

勿論、一方的に戦争を仕掛けたロシアの罪は否定できない。しかし、プーチンが悪でウクライナが正義という勧善懲悪的な見方はあまりにも単純かつ一方的といえるだろう。

また、米国、NATOは早々に派兵しないと発表し、経済制裁を主張しているが、そのことがプーチンを動かした部分もある。

こうした国際情勢に対する見方も世界が動いていたときには分からなかったことだ。世界が止まったお蔭で、それまで隠されていたことが次々と明るみに出ているのを感じる。

4.日本の混沌が見えた

国際政治は国家の意志だけで動いているわけではない。宗教組織、金融機関、グローバル企業、メガテック、その他の組織等がそれぞれの戦略や利害対立の中で、様々な工作活動や謀略等を駆使して、超限戦を展開しているのである。

そして、相対的に動く政治と経済は互いに干渉し、複雑に動いている。

世界が動いていたときには、マスコミの中立性を信じられたが、現在はファクトとフェイクの境界は曖昧になっている。それぞれが戦略的な意図を持って情報戦を戦わせているのだ。

日本も米国同様に分断している。あるいは分裂しているかもしれない。米国追随が正義だと信じている人もいれば、日中友好が正義だと信じている人もいる。平和憲法の固持が正義であるという人もいれば、改憲こそ正義だという人もいる。

強力なリーダーシップが存在せず、マスコミは、敵対する米国と中国の情報を適当にミックスしながら、常に国民を不安にする報道を繰り返すだけだ。コロナ禍の中でも、科学的な分析や情報を公開するのではなく、感情的に恐怖を煽り、政治的に行動制限とワクチン接種を呼びかけているだけだ。

西欧的な対立軸もなく、対立軸がないから分断も起きず、ただ混沌の中にいる。それが現在の日本ではないか。

ファッション業界からビジネス全体を俯瞰する坂口昌章さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • コロナで動きが止まった世界が炙り出す、日米中露が隠してきた「本当の顔」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け