きわめて姑息。内閣府が選択的夫婦別姓の世論調査で使った“禁じ手”

 

内閣府は「国会議員などからわかりづらいという意見があったため」「現行の制度から差異の小さい順に並べた」と説明したそうですが、なぜ、今回から変えたのでしょうか?

これまでも政府の調査方法には「まじ?一体、何のための調査なの?」と突っ込みを入れたくなることが繰り返されてましたが。呆れてものが言えません。

仮に、どうしても変更しなければならない理由があるとしたなら、それを事前に公表して、当然でしょう。

そもそも今回の禁じ手は野田聖子男女共同参画担当相が、問題視したことで明らかになりました。

野田大臣は選択肢の一つに挙げられた「夫婦同姓制度を維持した上で旧姓の通称使用の法制度を設けた方がよい」について、法務省がこれまで正式な議論の俎上に載せたことがない方策だとして、設問に関わった法務省に事前に「これではきちんとした統計が取れない」と提起したそうです。

しかし、受け入れられなかった。聞く耳を持たなかったのです。

「選択的夫婦別姓制度」の記述が、「男女共同参画基本計画」から削除されたり、調査の文言を変えたり…。

まさか、世論を操作したかった?などと穿った見方をしたくなります。

「世論の変化」という観点から捉えるなら、前回までの調査結果に基づき、「選択的夫婦別姓の支持派は増加傾向にある」と解釈すべきです。結果の数字だけを用いて、「選択的夫婦別姓を支持する人は減少した」とするのは間違いです。

今回の調査結果は「変化」を知るためのものではないし、過去と比較するものでもありません。

みなさまのご意見、お聞かせください。

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image by: Shutterstock.com

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