「親分の国」も「商人の国」も、安定より“不安定”を求めるワケ

 

5.成長を拒否する停滞と平和の国

さて、平和を愛する我々日本人にとって、暴力的な親分を認めることはできません。しかし、一方の世界を不安定な方向に誘導する商人も許したくありません。

日本人は縄文時代に1万年以上の平和な時代を経験しました。江戸時代も200年以上平和でした。明治になって、欧米の思想を導入した結果、戦争の時代に突入しました。戦争の時代とは、人口増加と経済成長の時代でもあります。

平和な時代とは、人口横ばい、経済停滞の時代でもあります。世界で日本だけが経済成長せずに、貧しくなっています。逆に言えば、確実に平和を志向しているのです。

親分にも与せず、商人にも買収されない。そして、武士のようにストイックに防衛力を磨く。富を独占せずに、世界に貢献する。その代わり、工作者、侵略者は徹底的に排除する。少なくとも、日本国内は平和を維持する。それが可能ならば、貧しく贅沢ができない国でも良いのではないか、と考える次第です。

■編集後記「締めの都々逸」

「欲にまみれて 争い起こし 責任逃れる 成功者」

人生の目的はお金を稼いで、お金を溜めること。なぜなら、お金があれば何でもできるから。この考え方を続ける限り、世界に平和は来ないような気がします。欲を捨てること。成長も欲です。利益も欲です。欲を捨てて、自然の中で生きていく。

多分、古来より多くの宗教家がこういう世界を夢見て、支配者に弾圧されたんだと思います。我々は全く成長していないな、と思います。

欲を捨てて、強さを追求する。そんな生き方ができれば、平和になるのかもしれません。それって官僚化する前の武士ではないか、とも思うのです。

現在の教育は、戦うことを拒否して逃げろと教えています。それは奴隷教育ですよね。政治家もマスコミもお上に逆らうなと同調圧力をかけてくる。これも奴隷教育だと思います。

奴隷も生活が安定すると、解放されることを拒否します。なぜなら、奴隷なら生活が安定している。支配されてるけど、命は保証される。自立した個人になれば、自分で稼がなければならない。お金が稼げなければ死んでしまう。だから奴隷が良いという理屈です。奴隷の身分から脱出するには、命をかけて戦う必要があります。日本は自立できるのでしょうか。(坂口昌章)

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image by: Natalja Petuhova/Shutterstock.com

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