誰でもなれる「週末作家」。文章力は要らない、出版社が求める別の能力とは?

2022.04.28
 

著書出版への道は。高校野球の「甲子園への道」と同じ

「誰でもなれる」とはいうものの、何事にも「壁」は存在する。私の著書のうち、2作目の『父親力で子どもを伸ばせ!』は、出版社に持ち込んではボツにされ、10連敗くらいした。

3作目の『ラジオ記者、走る』に至っては、新潮社で書籍化されるまで、軽く15連敗以上している。

出版は「甲子園への道」と同じだ。書籍化したい場合、編集者⇒編集会議⇒営業会議⇒社長(役員)決済、という手順で進むことが多い。

高校野球に例えるなら、これが都道府県大会で、これらを勝ち抜けば出版(甲子園出場)ということになる。

都道府県大会を勝ち抜くには?

では、どのようにして出版社内の諸手続き(都道府県大会)を勝ち抜き、出版(甲子園出場)にこぎ着ければいいのだろうか。

出版社に知人がいれば、その人を通じ、編集部(新書や文庫で出したいなら新書編集部や文庫編集部)につないでもらえば話が早い。

また、身近に出版社から本を出した人がいれば、その人経由で編集者に紹介してもらえばいい。とはいえ、多くの人はそうはいかないので、自分で売り込むほか手はない。

全国には3000社近い出版社がある。その中には、「持ち込みはお断り」というところもあるが、新たな書き手を探していることも事実である。

私と同じように持ち込みから始めた作家に、石渡嶺司さんという方がいる。彼は「大学」や「就活」をテーマに20数冊の著書を出し、「情報ライブミヤネ屋」などテレビの情報ワイド番組にゲストコメンテーターで呼ばれる存在になった人物だ。

最初は20社ほど持ち込み「ことごとくボツだった」という中で出版に成功し、現在に至っている。その石渡氏は言う。

「企画書(特に目次案・仮タイトル)、読者視線(客観性、読者層の想定)、売り込む先の出版社の戦略的な選択、情報収集力、熱意が重要です」

また、私の友人で「言葉」や「キャッチコピー」などをテーマに数多くの著書を出している川上徹也さんはこう語っている。

「編集者が集まりそうな会に出席。ある出版社の社長と名刺交換し、意気投合したのがきっかけ」

誰でも「週末作家」になれるとはいうものの、待っていては何も始まらないということだ。

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