まず行動せよ。サントリー創業者の口癖「やってみなはれ」の先見性

2022.06.03
 

実験計画の発想を取り入れた冒険精神

デジタル時代が進むなかで、マーケティングの未来の正確な予測は依然として困難である。しかしデジタル時代においては、実際の販売活動からデータを収集し、効果の検証を行い、活動をより効果的なものに素早く軌道修正していくことが容易になっている。

とはいえ、行き当たりばったりの軌道修正を繰り返すだけでは、正確な効果の把握にはいたらない。実験計画の発想をともなわなければ、デジタル時代においてもマーケティング活動の精度は高まらない。

やってみなければ、わからない。だから、まず行動してみることの重要さは、デジタル時代においても変わらない。そしてそこに実験計画の発想が加わることで、行動のなかから何に効果があるかを、より正確につかむことができるようになる。デジタル時代だからこそ、「やってみなはれ」の冒険精神と、冷静な実験計画の発想を併せ持つこと重要さが高まっている。

image by: Shutterstock.com

栗木契

プロフィール栗木契くりきけい
神戸大学大学院経営学研究科教授。1966年、米・フィラデルフィア生まれ。97年神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。博士(商学)。2012年より神戸大学大学院経営学研究科教授。専門はマーケティング戦略。著書に『明日は、ビジョンで拓かれる』『マーケティング・リフレーミング』(ともに共編著)、『マーケティング・コンセプトを問い直す』などがある。

print
いま読まれてます

  • まず行動せよ。サントリー創業者の口癖「やってみなはれ」の先見性
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け