ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシア国内での営業を一時停止していたマクドナルドが、5月16日同国からの完全撤退を発表しました。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では、国際政治経済学者の浜田和幸さんが、この撤退によりいよいよロシアとアメリカの戦争が始まるとの懸念が広がっていることや、世界での売上の10%を失うことになるとその影響を伝えます。さらに、そんなマクドナルドが始めた「多様性と平和へのキャンペーン」を紹介し、ウクライナ危機と関連付ける商魂の逞しさに感服しています。
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マクドナルドが先頭を走る“プライド月間”キャンペーン
ぶっちゃけ、ウクライナを巡る米ロの対立は長期化する一方です。
キッシンジャー元国務長官は間もなく100歳となりますが、発言力は一向に衰えず、先月のダボス会議でも「戦争を終わらせ、人的、経済的被害を抑えるには、ウクライナが領土の一部を割譲するのが最善の収めどころだ」と発言。この現実派らしい発言には賛否両論が巻き起こっています。
そんな中、ロシアからの全面、永久撤退を宣言したのがマクドナルドでした。しかし、これでは「マックの法則」が効かなくなります。何かと言えば、「マックの進出している国同士では戦争が起きない」という不文律です。このタガが外れたことで、ロシアとアメリカの本格的な戦争が起きるのではないか、との懸念が広がっています。
そこで、マクドナルドは新たな「多様性と平和へのキャンペーン」を始めました。それが毎年6月にアメリカはじめ世界各国で繰り広げられる「プライド月間」活動に他なりません。日本でも代々木公園で3万人が集まる集会が開かれました。
これは1969年6月28日、ニューヨークを皮切りに発生した「ストーンウォールの反乱」に因んで、LGBTQ+の権利を促進しようとするものです。性の多様性を象徴するシンボルとして6色のレインボーフラッグが掲げられ、世界各地でイベントやデモが展開されています。
こうした動きとウクライナ危機を関連させ、マクドナルドでは「皆、違っていて当たり前。愛は違いを乗り越える」といったキャンペーンを始めました。その一環として、従来のポテトフライに加えて、「レインボー・スティック」を多様性の象徴として売り出しています。
要は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に反対し、多様性と平和の大切さをレインボー関連商品に込めているわけです。あちこちの店舗ではレインボーフラッグが見られます。
ロシア市場から撤退したことで、世界的な売り上げを10%近く失うことになったわけですが、新たなキャンペーンの効果でマックの売り上げは順調に伸びているとのこと。ぶっちゃけ、「転んでもただは起きぬ」商魂の逞しさを感じさせます。
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image by:FotograFFF/Shutterstock.com