儲けることを至上命題にするヤバさ。この世から「準情報商材」が無くならない理由

 

仮説を立てる

まず、いくつかの仮説を立てましょう。

仮説1:準情報商材を販売している人は、儲けようと思っている

当たり前だと思われるかもしれません。しかし、この仮説が示しているのは微妙なニュアンスを含む状況です。

たとえば私は「みんながもっとノートを使えるようになったらいいな。でも、ノートに縛られすぎるのも違うな」という気持ちを持って、『すべてはノートからはじまる あなたの人生をひらく記録術』を書きました。

もちろん、そうして本を書くことは「仕事」ですし、印税というお金も出版社から頂いています。でも、儲けようとは思っていません。たくさん売れたら嬉しいですし、一定量売れないと生計が成り立たなくなるので困りますが、ある程度売れたら「まあ、よし」のような感覚はあります。

だって「みんながもっとノートを使えるようになったらいいな。でも、ノートに縛られすぎるのも違うな」ということを伝えたいというのが、私の「思い」だからです。

では、準情報商材を販売している人はどうでしょうか。その人は売り上げがトントンでもそれを継続するでしょうか。あるいは売り上げがほとんど立たなくても、納得できる「成果」があるでしょうか。

私はないのではないかと想像します。あくまで想像でしかありませんが、全体的な印象を統合すると、そのような想像が立ち上がってきます。

残念ながら、この仮説に関しては論証する術はありません。人の心の中は見えないものであり、そもそも当人すらわかっていない可能性もあるので、仮にインタビューしたとしてもその確実性は高くないからです。

でも、とりあえず、これを一つの仮説とした上で次に進んでみましょう。

利益の構造

仮説2:情報で稼ぐためには、原価を抑えるのが一番

これは難しい話ではありません。以下の式をイメージすればわかりやすいでしょう。

  • 売り上げ - 原価 = 利益

利益を大きくするには、原価を上げずに売り上げを増やすか、売り上げを下げずに、原価を下げることです。

もし売り上げの拡大が難しいのならば、原価を下げるのが一番でしょう。

情報を生み出すことは、基本的に「仕入れ」が必要ないので、帳簿的には原価なんてあってないようなものですが、一方で、「たくさんの資料を検討する」や「じっくり考えて判断する」といったコストはたしかに存在しています。こうしたものをどんどんなくしていけば、利益率が高い商材ができあがるわけです。

でもって、情報においてそれを突き詰めると、「コピペ」にたどり着きます。知的生産の定義を逆向きに参照すれば「頭をはたらかせず」に情報を生成するのが、一番安上がりというわけです。

ようは、自分で新たに情報をおこさずに、他の誰かが書いたことをほとんどそのままもってくれば、非常に「原価率の低い」商材ができ上がるのです。儲ける目的のためならば、一番の商材と言えるでしょう。

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