過去に年金保険料の「未納」が多くても障害年金がもらえるケースとは?

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初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの1年間に未納が無ければそれでもいいと。

そうすると令和2年1月から令和2年12月までの1年間は未納ではないので、それで請求が通る事になりました。

直近1年要件という。請求が通る事になったのは免除手続きを「初診日前」にやっていた事が僥倖でした。

よって、B男さんは令和4年8月27日時点(この日から3ヶ月以内の診断書を書いてもらう)の障害状態により、その翌月分である令和4年9月分の年金から受給する事が出来ました。

なお、障害年金請求は請求後、3ヶ月から長くて6ヶ月ほど審査に時間がかかります。

B男さんは令和4年12月中に障害基礎年金2級777,800円+障害年金生活者支援給付金60,240円=838,040円(月額69,836円)の支給決定が下り、令和4年9月分に遡って年金が振り込まれました。

それ以降は偶数月の15日に前2ヶ月分の振り込み。

このように過去の未納が多くても障害年金受給が出来る場合はありますが、納付状況はあくまで初診日の前日までで見るという事をご留意ください。

そして、門前払いにならないためにも保険料を未納ではなく免除しておく事が大切です。

※ 補足

B男さんは免除手続きが令和3年2月5日で、初診日が令和3年2月27日です。免除手続きを初診日以降にやっていたら障害年金請求不可でした。

例えば初診日である令和3年2月27日以降に免除手続きをしていたら、それでも直近の2年1ヶ月は免除になりますが、初診日以降の手続きとなるために直近1年要件は適用できずに障害年金を請求する事が出来ませんでした。

初診日前に免除手続きをした事で、直近1年要件を満たす事で障害年金請求が可能となりました。

それでは今回はこの辺で!

image by: Shutterstock.com

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佐賀県出身。1979年生まれ。佐賀大学経済学部卒業。民間企業に勤務しながら、2009年社会保険労務士試験合格。
その翌年に民間企業を退職してから年金相談の現場にて年金相談員を経て統括者を務め、相談員の指導教育に携わってきました。
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【著者】 年金アドバイザーhiroki 【発行周期】 不定期配信

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