中国の起業家でアリババグループの創始者として一時代を築くも、政策批判をきっかけに習近平政権の怒りを買うこととなってしまったジャック・マー氏。そんなマー氏の最新動向が話題となっています。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では著者で国際政治経済学者の浜田和幸さんが、英有力紙が伝えた「マー氏東京潜伏情報」を紹介。さらに「絶対に諦めない」が口癖の彼の次なる目論見を推測しています。
この記事の著者・浜田和幸さんのメルマガ
“絶対に諦めない”が口癖のジャック・マーは東京に潜伏中!
ぶっちゃけ、ゼロ・コロナ政策への不満が爆発し始めたのが今の中国です。
上海や北京を始め、各地で激しいデモが起きています。
実は、コロナ禍が発生すると同時に、中国から姿を消したのが電子商取引最大手「アリババ」の創業者ジャック・マー(馬雲)でした。
最盛期の2020年10月には資産610億ドルを誇り、中国一の大富豪の座を射止めていたものです。
しかし、その影響力の拡大とともに、中国政府によるITや金融に関する規制に公然と反旗を翻したことが災いし、厳しい制裁を科せられることになりました。
そして、世界最大と評判を呼んだアリババ傘下のフィンテック企業「アント」の新規株式公開(IPO)は中止に追い込まれてしまったのです。
2020年以降は、時折、スペインやオランダから目撃情報が伝わってきましたが、一体どこに雲隠れしたのか、その消息は不明のままでした。
ところが、今週、英国の「フィナンシャル・タイムズ」がスクープ記事を配信。
曰く「マー氏は家族と共に東京都心に半年近く暮らしており、地方の温泉やスキー場にも足を運び、アメリカやイスラエルにも定期的に出張を繰り返している」。
規制の厳しい中国から脱出し、日本を拠点に「中国の民主化と自由化、そして貧富の格差解消」を目論んでいるというのです。
彼の口癖は「絶対に諦めない」。
チャーチルを尊敬するマー氏は色紙を頼まれると、決まって「絶対に諦めない」とサインしていました。
最盛期と比べれば、彼の資産はほぼ半額に減っています。
アリババの株価がピーク時から75%も下落した結果です。
それでも彼は「ジャク・マー財団」を立ち上げ、環境問題や感染症対策を軸に復活のシナリオを描いていることは間違いありません。
現在、中国各地で巻き起こっているゼロ・コロナに反対するデモについても、アメリカの支援を得ながら隠密行動を取っているのではないかと思われます。
日本にはマー氏にとってはアリババを創設した時の最大の支援者にして、最大の親友になったソフトバンクの孫正義がいます。
このところ銀座の会員制クラブではマー氏の姿がしばしば見かけられているようです。
子供の頃には「顔が宇宙人のようだ」と、他の子供たちからいじめられたマー氏でした。
しかし、後に「男の容姿はIQに反比例する」と豪語し、起業家として成功する原動力にもなったほどの負けん気の強い人物です。
ぶっちゃけ、ゼロ・コロナ反対デモを引き金に、新たな革命を起こそうとしているのかも知れません。
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