世界の人助けランキング、日本は「ほぼビリ」先進国とは言い難い我が国の現状

 

昨年、3月にウクライナの人々を支援しようと、在日大使館やNPO法人などに寄付をする人が急増し、関係者からは「勢いがすごい」と驚きの声が上がり、「日本人の意識も変わった」とされていたのに、7月頃から支援する人も、支援金も激減しました。

三木谷浩史会長兼社長がウクライナ政府に10億円の寄付を表明したり、イオン、ファーストリテイリング、日清食品ホールディングス、味の素、資生堂など、数多くの企業が物資や人道支援を行い、話題になりました。

しかし、世界はその「上」の「上の上」をいっています。

昨年、4月の段階でウクライナ政府に世界中の個人・企業から届いた寄付の総額は約1,170億円で、もっとも多額の寄付をしたのは、英国で約510億円で全体の4割強を占め、オランダ、チェコ、米国と続きました。

もちろん金額が全てではありません。つい先日も、日本政府がウクライナへの追加の越冬支援策として、ウクライナ警察に使い捨てカイロと、交通安全対策のための反射材を無償提供しました。

しかし、先進国を名乗り、G7の一員と胸を張るのなら、もっともっと先進国たるべく努力が必要なんじゃないでしょうか。日本ならではのやり方で、日本人らしい支援を進化させてほしいです。

日本の海外青年海外協力隊は、今年で58周年です。日本の政府援助の端緒を作ったのが、協力隊事業です。協力隊は世界で最も優れた政府系のボランティア事業で、派遣される隊員の能力は他の先進国のボランティアの追随を許しません。語学も他国のボランティアよりも上手になります。英語やフランス語などが日本人は上手ではないので、逆に現地語への順応がとても早いのです。

長年、協力隊で活動している知人が、こんな話をしてくれたことがあります。

「日本の平和外交の象徴が協力隊事業。世界の方々に日本と日本人を知ってもらうことに、協力隊が果たした役割は計り知れない」と。

つまり、戦後の日本人は、日本人独自の、日本人らしいやり方で、世界から認められてきました。

その心意気が今の日本にあるのか?うち向きになってるのではないか?こじんまりしすぎじゃないか?さまざまな問題の日本の世界のポジションの低さは、その数字以上に深刻なように思います。

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