では、なぜそのような「政治」が中国にできて、我が国にできないのか。その理由は、政治の仕組みにあります。中国は、中国の政治機構の上に、共産党があるのです。
日本が日本の構造を大きく変え、経済的に極めて大きな発展ができた時代が、近現代に二度あります。ひとつが明治維新直後の日本です。この時代の日本は、黄金を米国に奪われ、明治新政府は超貧乏政権としての発足でした。だからこそ富国強兵政策がとられることになったのですが、これを行ったのは、日本の頂点に天皇があり、その直下に枢密院が置かれたことによります。司法立法行政の三権は、その下に置かれました。そしてもっというと、初期の頃の大改革を実現した明治初期には、明治新政府よりも上位に枢密院が置かれるとともに、枢密院の下に軍が置かれていました。
終戦直後の日本も同じです。日本にはGHQが置かれました。GHQは「General Headquarters」の略ですが、GHQのすぐ下に、ミリタリーポリス(MP)が置かれ、日本の三権はその下に置かれました。
戦後教育は、三権分立は理想の政治形態と教えますが、実は三権分立は、三すくみ状態を生む政治体制です。それだけでは何もできないのです。その上が必要なのです。
もしかすると、日本はいま、日本が大きく生まれ変わるために、日本版GHQ、すなわち「Japan Headquarters」(通称JHQ)の設置が必要なのかもしれません。そしてJHQが強制力を持つには、JHQの下に軍と警察が置かれること。
これだけでは、アフリカの不安定な独裁政権と同じになってしまうのですが、日本には幸い天皇がおわします。JHQの上に天皇があり、領土領民のすべては、天皇の「おほみたから」とする。この形を置くことで、独裁政権性は否定されます。
日本の再構築には、そういうところまで、深く入り込んでの検討が必要であると思います。
日本をかっこよく
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