では、その行為が「セクハラか、そうでないか」はどう判断すれば良いのか。
一言で言うとすれば、非常に漠然とした言い方にはなりますが「相手が嫌がっている(であろう)行為はセクハラ」と考えるのが一番良いでしょう。
例えば、性的な冗談に対してセクハラという話をすると、「ただの冗談なのに…」と言う人がいます。
そこには「それは冗談である」という言った側の視点しかありません。
「それを聞いた人はどう感じるか」という相手の視点が完全に抜けているのです。
これがセクハラにつながります。まずはこの視点を持つことが重要でしょう。
ただ、難しい問題もあります。
例えば、ロングヘアだった女性社員が、髪をバッサリ切ってショートヘアにして出社したとします。
その際に「似合っているよ」は、セクハラになるのか?
これはこの裁判でも取り上げられていますし、某厚生労働省のガイドブックには「避けるべき行為」として出ていた気がします(すいません、うろ覚えですが…)。
ただ、です。
ロングヘアだった女性が思いっきりショートヘアで出社してきているのに、何も反応しないのもどうなんでしょうか。
それも逆に不自然な気もします(それに対して「似合っているよ」が適切かどうかはわかりませんし、誰が言うかや、その言い方も影響しますので判断が難しいところですが)。
相手の気持ちを考えない「無自覚なセクハラ」はもちろん大問題ですし、現状ではこれが大半です。
これは決して許されることではありません。
ただ、なんでもセクハラと言ってしまう「過剰なセクハラ」も、社内の雰囲気をギクシャクさせてしまうような気もします。
そうならないように日頃のコミュニケーションを大切にしたいですね(これはある程度のセクハラは許容せよ、という意味ではもちろんありません。念のため)。
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