オジサンか、それに似た女性のみ。絶望しかない政治階層上階の人々

 

かつて「女性活躍後進国」だった英国が、1997年に飛躍的に女性議員の数が増えたのは、労働党の政権交代によるものでした。

なぜ、労働党になって女性議員が急増したのか?それは政治家が「国民の声」に耳を傾け続けたからです。

“鉄の女”と呼ばれたマーガレット・サッチャーさんの最大の強みは、国民とのコミュニケーションだったと言われています。

サッチャーさんの政策に批判的な人でさえ、サッチャーさんが国民とどのようにコミュニケーションを取るか、信頼関係をどう生み出すかにプライオリティーを置いて重視し続けた姿勢を高く評価し、多くの女性たちが共感したのです。

そういった女性政治家(=サッチャーさん)に女性たちがエンパワーされ、リーダー的地位に就く人たちも増加。一方で、労働党も野党から復活すべく、威信をかけて、サッチャーさんに習い、「街の声」に必死に耳を傾け続けました。

その中で、政治家になりたくても、自分がなれると思えない女性が多いことが分かりクオータ制を導入。「女性議員の量的拡大」を積極的に進め、女性の支持者を増やしていきました。その地道な努力が功を奏し、労働党は政権奪還に至ったのです。

2000年代に入ると女性議員の割合は一旦減少に転じたものの、ブレア政権は総選挙における選挙公約で、男女議員比率の是正に、改めて積極的に取り組むことを明言。2017年には女性議員比率32%に達しています。

かたや日本はどうでしょうか?岸田首相は、来月行われる主要7カ国首脳会議で、ジェンダーの視点を取り入れて議論を進めると表明していますが、その中に「女性議員の量的拡大」は含まれているのでしょうか?「女性の経済的自立、暴力の根絶に向けた取り組みを抜本強化する」と強調していますが、その内容になにひとつ目新しさはありません。

私が女性議員の数に拘り続けているのは、国民は男女同数なのに、女性政治家の少さが、まったく腑に落ちないからです。頼むから自分の言葉で話して欲しい。信頼関係を生み出すコミュニケーションに、もっとプライオリティをおいて欲しい。

そして、メディアも、もっと問題を深掘りしたニュースを報じて欲しい。

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