なぜ、駒澤大学は13年ぶりに箱根駅伝を制することができたのか

High school boys running in a large group on a red track during cross country practice.
 

高原 「2021年に13年振りの日本一に返り咲きましたが、その勝因はなんでしょうか?」

大八木 「監督の本気度でしょうね。やっぱり、私の中で驕りじゃないですけども、甘えがあったのだと思います。

このくらいトレーニングをすれば十分だと分かっているので、55歳頃からは完全に、6時からの朝練で選手に自転車で伴走するのはコーチに任せてしまいました。

選手たちはそれを見ているんですね。

ああ、監督は楽をしていて本気じゃないなと。

そう見られていることにも気づいていたので、60歳の節目を境にもう一度、本気で勝ちにいこうと決意し直したのです。

それで、朝練の時に自転車での伴走を再開し、脇につきながらちょっと気になることがあればすぐに指摘するようになりました」

高原 「自転車とはいえ、朝6時からの練習は楽ではありませんよね」

大八木 「そうですね。自転車でもアップダウンのあるコースを13キロ漕ぎますから。

だけど、本気度って伝わるんです。

ああ、監督は本気で俺たちを指導してくれていると選手たちが感じ取ってくれ、チーム全体の意識が高くなりました。これこそがチーム力なんです。

ですから、チームを勝利に導けるかどうかは指導者の考え次第ですよ。

本気になるかならないか。

日本一から遠ざかっていた13年間は驕っていたつもりは一切ありませんが、どこか安定志向に陥っていたのだと思います。ノウハウというのは長年やっていれば身につきます。ですが、最後の最後で勝利を掴むためには、指導者が本気でなければいけません。

スポーツは良くも悪くも結果がすべて。残るのは結果だけですので、指導者は選手たちを勝たせなかったら駄目なんです」

高原 「指導者の本気かどうかが、勝敗を決める」

大八木 「人間は弱い生き物ですが、本気になったらここまで変わるものなのかとつくづく感じました。

本気になってガムシャラに努力すれば、結果は自ずとついてくる。それが私の実感です」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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