WBCで世界一を獲った侍ジャパンで捕手をつとめた、福岡ソフトバンクホークスの甲斐拓也選手。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、多くの苦労を経験しながら「自己鍛錬」してきたという彼に大きな影響を与えたという一冊を紹介しています。
甲斐拓也捕手の愛読書
第5回WBCで3大会ぶり3度目の世界一を掴んだ侍ジャパン。
同チームの扇の要としての活躍が記憶に新しい甲斐拓也捕手は、育成選手からプロ入りし、苦節を経て史上初の記録を打ち立ててきた人物です。
幾多の恩師と書物を通じて交わり、自己鍛錬してきた軌跡を追う中で、甲斐選手に大きな影響を与えた一冊の本をご紹介いただきました。
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一軍に上がった頃、元捕手の達川光男ヘッドコーチが赴任しました。
達川さんは技術からメンタルまで、何かと支えてもらってきた親父のような存在です。
他の選手の前で僕をめちゃくちゃ叱るかと思えば、後できちんと話す時間を取ってくれる。
本当に愛情ある指導を受けました。
その達川さんに「甲斐、これはおまえが絶対に読むべき本だ」と渡されたのが、『生きよう今日も喜んで』でした。
2018年のシーズン中、遠征で空港にいた時です。
連敗で落ち込む僕を気遣ってくれたのでしょう。移動中に一気に読み終えました。
第三章“仕事は祈り”にはシンプルにこう書いてあります。
人生に望ましいのは失敗や困難がないということではなく、決してそれに敗けない、ということである。
成功は成功、失敗は失敗であるが、失敗のマイナスを持たぬ人には成長はない。
キャッチャーは守備や投球の采配を担うので、チームの連敗は自分の責任だと思うあまり、失敗を恐れている自分がいました。
一軍に入りたてだったのでなおさらです。
でもある時、達川さんに言われたんです。「心配するな。おまえが失敗しても二軍には落とさない。おまえが落ちる時は私も一緒に落ちる」と。
(略)
大事なのは失敗や困難を避けることではなく、それに敗けないこと。平澤さんと達川さんの言葉が沁みて、失敗を恐れず思い切ってプレーができるようになりました。
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