人生って原寸大の道路を歩くだけじゃダメなんですよ。それだと道を見失ってしまうんです。そうならないための鳥瞰図が地図の役割で、計画に於いてはそれは目次の仕事なんです。
そして経験とは、実際の道路を歩きながら、同時にアタマの中で地図を開いて方向性を確認する、この両方ができることを言うんです。目の前に見える道路の風景を具体、アタマの中で見る地図の風景を抽象と言い換えても良いんですけど、どちらにしろその両方を同時に意識することが、エキスパートになるための思考なんです。
そのためには、最初に地図を描くということを意識すべきなんです。なぜならば、目の前の道路は誰にでも見える、認識できるのに対して、地図は意識して作ろうとしないと決して作れないからです。
35歳にもなって、この地図をアタマの中で作れない人は、永遠に現場の仕事、特に手作業から抜け出ることはできませんから。マネジメントというのは、抽象的な概念を取り扱うことが多いので、アタマの中で地図を描けない人にはできないんですよね。
だからできるだけ早い時に、地図を作る習慣を持つ必要があるんです。
そしてこれは単に思考、行動習慣の問題であって、能力の問題ではありませんから、何度か経験をすれば誰にでもできるようになるんです。だ・か・ら良い歳をしてこれができない人は、惨めなことになるんですよ。
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