詐欺にひっかかるなんて…と思っているそこのあなた、これを読んでもそう思えるでしょうか?無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者土井英司さんが、騙しの天才たちの手口を詳細に記載した古典的名著を紹介しています。
詐欺に関する古典名著。⇒『詐欺師入門』
『詐欺師入門』
デイヴィッド・W・モラー・著 山本光伸・訳 光文社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、信用詐欺研究の古典的名著で、映画『スティング』のネタ本になった一冊。
著者のデイヴィッド・W・モラー氏は、言語学者であり、特に犯罪と犯罪者の言葉についての研究で知られる人物。1937年から1972年まで、ルイヴィル大学の教授を務めた方だそうです。
通常の詐欺の手口本とは違い、いわゆる百科事典形式ではありません。
詐欺師たちがチーム戦で一人の人物をどう騙すか、いわゆる「カモ」の心理の移り変わりも描写しながら、ストーリー形式で紹介する、変わった手法をとっています。
詐欺師が用いる具体的な手口、セリフを書き込んでいるので、なるほど映画のネタ本になるのも頷けますね。
手っ取り早く手法を知りたい人にはまだるっこしいですが、この形式だからこそ、いざ仕掛けられた時にそれとわかる、そんな効果があると思います。
いわゆる「ビッグ・コン」と言われる大掛かりな詐欺の典型的手法は、18ページ、19ページにまとめられていますが、本書がすごいのは、それが具体的にどう行われるのか、詳細に描写されている点。
恐ろしいのは、自分が当事者になった時、手口がわかっていても騙されそうなことでしょうか(苦笑)。
どうしたら「カモ」の信頼を獲得できるのか、どうやったら儲け話を信じ込ませることができるのか、どうやったらさらに多くのお金を用意させられるのか、どうやったら最後、騙された時の怒りを収められるのか、驚きの手口が書かれています。
「自分は大丈夫」とたかを括る前に、読んでおいて損はないと思います。
百科事典形式を好む方は、こちらも古典名著ですが、『詐欺とペテンの大百科』を読むことをおすすめします。
※参考:『詐欺とペテンの大百科』