パリ五輪「開幕式」で露呈した日本とフランスの“圧倒的な国力の差”。京大教授が「高校の文化祭レベル」だった東京五輪を思い出し屈辱を感じた理由

 

日本を二流国、三流国であることを知らしめた東京五輪の開幕式

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僕は前回の東京五輪の開幕式は、日本はここまで落ちぶれたのかということを思い知らされる大変につらく悲しい思いをするものでした。日本人の内輪のノリしかできないお笑い芸人が登場し、高校の文化祭のような世界には全く届きようのない演出が繰り広げられ、外国の技術(米国インテル)が運営するドローン演出を行い、挙げ句に本来陛下を思い国民皆で謳う国家をソウルソングの様にうたいあげたあの五輪は、日本は要するに「子供」というよりも「幼児」の二流国、三流国であることを世界に知らしめるに十分なイベントだった…と筆者の目には映りました。

その一方で、あのセリーヌ・ディオンがうたいあげるあの時間は、フランスの威光をこれでもかこれでもかと知らしめる、フランスという国が成熟した「大人」の国であることを明らかに知らしめるものでした。

あの歌だけが素晴らしく、後は最悪のイベントだったという声も有るようですが(当方はそうは思いませんが)、仮にそうだとしても「あの瞬間」があるだけで、フランスの国力と日本の国力がここまで開いてしまったということが誰の目にも明らかになる開幕式エンディングであったと強く思います。

本当に、日本人であることが恥ずかしく、悲しく感じます。

この「屈辱」を胸に、奮起する国民が一人でも二人でも増えん事を、心から祈念したいと思います。万一、そういう国民が他におられなかったとしても、当方一人だけでも、これを契機として、日本を誇り高き国にするために自分自身でできうる限りの事に全力で取り組んで参りたいと思います。そして繰り返しますが、そう思う日本人が一人でも二人でも増えん事を、重ねて祈念したいと思います。

(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論』2024年7月29日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ)

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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。

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【著者】 藤井聡 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 土曜日

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