工場の見学では、大ヒット商品「一番搾り」の説明に時間が割かれた。
当然の看板商品であるが、この商品が出た当時、あまりビールの味の分からない私はCMで伝えられるイメージで、ビールを「味わって」いたように思う。
1987年にアサヒビールがスーパードライを販売すると、「切れ味」という新しい感覚が市場に受け入れられ、シェアを拡大していく。
これに対抗したのがキリンの一番搾りである。
この一番麦汁だけを使った商品もヒットしたが、そのイメージ戦略も「本物」と位置付けるためのイメージ戦略が印象的だった。
一番搾りのCMに俳優の緒形拳を起用したのは、当時本格映画俳優として、テレビに軽々と出演しなかった「本物」を演出したかったのだろう。
市場は反応し、本物が本物を飲む印象は確実に市場の心をつかんだ。
ビールの味も知らない私も強面で演じる俳優が満面の笑みでビールを飲む姿に、知らずに心惹かれていたように思う。
文明開化後の横浜には多くの歴史が潜んでいる。
意外な事実の発見、遭遇は面白い。
見学ツアーは最後にビールを飲めるから、ビール好きにとっては、至極の一杯を味わうことができる。
お酒を口にしない私はおいしそうに試飲のビールを飲む面々に微笑みながら、キリンの大ヒット商品であるキリンレモンと午後の紅茶を楽しみ、キリンとフェリスの歴史の交差と発見を楽しんだ。
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