米でもイランでもない。米国防総省の幹部が指摘した“百日戦争”「真の勝者は中国」という不都合な現実

 

ロシア国民による検索キーワードに“終戦”が頻出する事態に

モスクワでも深刻化するガソリン不足は、ロシア国民・モスクワ市民のプーチン大統領への不満が、静かにでも確実に広がっている兆しです。

「外国に売るほど石油があるのに、製油所をウクライナに攻撃されたことでガソリン供給不足が深刻化している」という非難が相次いでおり、プーチン大統領としては、この由々しき事態をこれまでのように「ウクライナが引き起こしたもの」という図式に落とし込みたいところでしょうが、現況下でそれがうまくいくかは不透明です。

ロシア国内では、否定できない厭戦気運と戦争への疲弊感の高まりが、じわじわと広がり始めており、その証拠にロシア国民による検索キーワードに“終戦”が頻出する事態になっているようです。

これらの対ロ攻撃の激化に加え、ウクライナは2022年2月以降、破壊・鹵獲したロシアの兵器を分解し、その性能や作りを詳らかにすることで、ロシアの軍事的優位性を最小化する戦略を活発化させています。

ウクライナ国防省の管理下に置かれているTrophyLabと呼ばれるデータベースを通じて、この情報は各国へ公開されていますが、これにより、ロシアの手の内が欧米諸国に露わになるのと同時に、ロシアから軍事支援を受ける北朝鮮やイランなど親ロシア諸国の軍事的な情報・性能なども詳らかにされる恐れがあります。

ウクライナは欧米諸国からの支援と引き換えに、これらの蓄積された情報を提供する用意があり、今では「援助の懇願」という形式から、「対等な立ち位置での対ロ共同戦線の提供者」という状況を手に入れつつあります。

ただし、このアピールにより、元々根強くある欧州の対ウクライナ不信感がかえって刺激されているとの情報もあり、支援側の一枚岩の対応の確立には至っていません。

このところ、ロシア・ウクライナ戦争において新しい局面が生まれてきています。それはロシアの衛星による監視機能を含む宇宙戦力に対するウクライナの攻撃が激化している事態です。

【見えなくなった軍隊は、やがて撃つことさえできなくなる】

まさに今、宇宙の帝国と例えられたロシアの軍事作戦能力に大きな穴が空こうとしています。

ロシア軍はこれまで、戦争を「砲弾の数」と「兵士の数」で語ってきました。しかし21世紀の戦争を決定づけるのは、そのどちらでもありません。宇宙です。

その予測を裏付ける出来事が、まさに今週起きました。ウクライナ軍は6月22日、
モスクワ州北部の先端技術産業都市ドゥブナにある宇宙通信センターを攻撃したのに続き、わずか一週間あまり後の6月30日、同じドゥブナ衛星通信センターを再度攻撃したのです。

ゼレンスキー大統領はこの施設について、「情報収集やウクライナで戦うロシア軍の調整に利用されている」と明言し、攻撃の意義を強調しています。1980年のモスクワ五輪の中継送信を機に開設され、かつてクレムリンとホワイトハウス間のホットライン運用も担ったこの由緒ある施設が、今や戦争の最重要標的の一つになっているのです。

ロシア側はドゥブナ通信センターへの攻撃を確認していませんが、モスクワ州のボロビヨフ知事は、街の「行政庁舎」にドローンが衝突したと明らかにしています。

この間、モスクワには29日夜から相次いでドローンの波が押し寄せ、防空網が60機を超えるドローンを撃墜(ロシア国防省発表では全体で419機を迎撃・破壊)、シェレメチェボ、ブヌコボ、ドモジェドボ、ジュコフスキーといったモスクワ圏の主要国際空港4カ所が、安全確保のため一時全面閉鎖に追い込まれました。

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