衆院選挙で圧勝した安倍政権にのし掛かる困難な「5つの課題」

kitano20171024
 

先の衆院選では280議席超えと圧倒的な強さを見せつけた安倍総理率いる自民党。無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者で国際関係研究者の北野幸伯さんもこの結果を喜ばしく思っているようですが、一方で「今後の日本には多くの課題がある」とし、その対策について持論を展開しています。

自民圧勝!安倍総理、今後の課題は?

皆さんご存知のように、選挙で自民党が圧勝しました。日本のためにとても良いことだと思います。昔からの読者さんはご存知ですが、私は今まで、選挙前に「○○党支持です」と書いたことはありませんでした。しかし、今回初めて「安倍総理続投を願っている」とず~っと書き続けてきました。「まぐまぐニュース」には、「これほど外交が良好なのに、それでも選挙で日本をリセットすべきか」を書いています。この記事の中で、「理想の選挙結果」について触れています。

日本を「リセット」するのはもったいなさすぎです。私は日々世界情勢を追っていますが、日本ほどいい状態の国はありません。ですから、私は「日本のリセット」を望みません。ということで、今回の選挙、理想の結果は、

 

  • 第1党=自民党:安倍総理が続投できるほど勝つ
  • 第2党=希望の党:消費税引き上げを阻止するためにがんばる

具体的に「どこの党が何議席」とは言いませんが、結果的に

 

  • 安倍続投
  • 消費税引き上げ阻止

両方実現できれば理想的と言えるでしょう。

希望の党は、思ったよりもかなりボロボロでしたが、「安倍続投」が実現するのは、大変良いことだと思います。あと、「消費税引き上げ阻止」が実現すればいいですね。今回は、安倍さん、今後の課題について考えてみましょう。

直近の大問題は北朝鮮

外交、安全保障分野で直近の問題は、やはり北朝鮮でしょう。ここで重要なのは、「アメリカと歩調を合わせていく」という一点です。韓国の文さんみたいに、勝手に動くと、アメリカの信頼を失っていいことがありません。

普段アメリカに従順な日本。それでも、時々、しかも変な時に「独自外交」をすることがあります。たとえば日中国交回復を電光石火で成し遂げた田中角栄さん。キッシンジャーは激怒して、「ジャップは最悪の裏切り者だ!」と絶叫しました。たとえば、中国に行き、「私は人民解放軍の野戦軍司令官だ!」と全世界に宣言した小沢一郎さん。

独自外交は、いい時もあるし、悪い時もあります。北朝鮮については、「アメリカと一体化して動くことが最も重要です。

では、「アメリカが北朝鮮攻撃を決めたら、日本もそれを支援するのですか?」。当然です。日本はアメリカの軍事同盟国なのですから。もちろん、自衛隊が北朝鮮を直接攻撃することはないでしょう。しかし、後方支援は、全力でやらなければならない。

ここで逃げたらどうなるのでしょうか? 日本は第1次大戦時、イギリスの「陸軍派兵要求」を断り続け、一兵も出しませんでした(海軍は、大活躍したが)。結果、戦後、日英同盟は破棄されることになった。イギリスはその後、反日に転じてしまいました。同じように、今回日本が日米安保を裏切れば、同盟は危機に陥るでしょう。日米同盟が破棄されれば尖閣のみならず沖縄も中国に併合されます。

というわけで、「北朝鮮」が大きな試練ですね。私たちは、「北朝鮮は、まさに日本の問題」であることを深く自覚している必要があります。北朝鮮の核ミサイルは、まだアメリカには届かない。しかし、日本にはバリバリ届くのです。北朝鮮を非核化するのは、まさに日本の国益です。もちろん、対話で解決できればいいですが、そうならないことも想定しておく必要がある。日本政府と日本国民の覚悟が試されます。

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