次に、ごはんを食べると体の中でどのような反応が起こっているのかを見ていきましょう。
まず、言葉の定義をはっきりさせます。炭水化物は、糖質+食物繊維のこと。単糖という糖の最小単位がいくつつながっているかで、大きく2つのグループに分かれます。糖質のなかで、単糖と二糖のことを特に糖類といい、もっとも体への吸収がよく、摂取量を気を付けなければならないものです。
ごはんを食べると、口の唾液、胃の胃酸、膵臓の膵液によって、でんぷんがバラバラにされて単糖になります。単糖は、小腸の毛細血管から体内へと運ばれていきます。
血糖値とは、血液100mlあたりの単糖の量のことを指します。ごはんは、血糖値を上げやすい食べ物のひとつです。血糖値が急激に上がると、血糖値を一定に保っておきたい体は、膵臓からインスリンを放出します。糖を筋肉や肝臓へと運ぶことで、血糖値を下げようとするのです。そこで使い切れなかった糖は、今度は脂肪細胞へと運ばれて、憎き皮下脂肪へと変わります。
そうよ! だから糖質を食べないの。そう決意してごはんを食べるのをやめた方のなかで、どうしても体力が持たずに途中で断念した方はいらっしゃいませんか? はい、私も挫折経験者です。今糖質抜きダイエットはとても流行っていますが、同時に体に負担を強いるダイエット法なので、私はやめたほうがいいと思います。
糖質抜きダイエットを始めて、私はまず体力がなくなりました。だるくて眠くて、集中力がなくなっていったのです。体の中で一番エネルギーを使うのは大脳です。大脳へうまくエネルギーが回らなくなったために、起きた症状だと推測します。大脳は、肉体活動はもちろんのこと精神活動も支配します。だから、とてもキレやすくなりました。四六時中イライラして、家族に当たり散らしていたのをよく覚えています。
糖質を抜いてみて、たしかに体重は減ったのですが、もうひとつ、減ってはいけないものが減りました。それが筋肉量です。糖質制限中はジムに通っていたし、トレーナーを付けて運動していたにも関わらずです。エネルギーの消費工場の規模が小さくなるというのは、またごはんを食べ始めたときにリバウンドしやすいことを意味します。