社長として大事なのは組織作りと社員の育成
藤 2年で軌道に乗せられるってかなり優秀ですよ。いまは社員さんってどのくらいいるの?
清 70人です。
藤 それもすごい!! え、全員の名前も覚えてるの?
清 はい、それはさすがに(笑)。それに顔を合わせていればだんだん自然に覚えていくものなので。でも、うちっていまだに役員が私1人だけなんですよ。さすがにそろそろ役員候補を育てていって、スキルアップさせてあげなきゃなと考えてます。そのためにも、私自身がこれから学んでいきたいのは、組織というものをどう作っていくかということ。物を売るのも大変ですけど、そのためにも人をどう育ててどう一緒にやっていくかが大切じゃないですか。
藤 そうですね。私も一番大事なのは、人を育てることだと思ってます。私もずっと営業でやっているなかで思うのが、「自分で売るのは簡単だけど、自分の代わりに売れる人間を育てるのは難しい」ということですね。
清 本当にそうなんですよ。私はそれこそが経営者だと思っていて。自分で売りに行くのは営業マンであって、企画であって。人を動かせて、人がついてきて初めて経営者になるのかなと。それが社長の仕事の大部分を占めるものだと思うので、そういうことができる経営者になりたいですね。それを実現して、自分が動かなくても売り上げが伸びる組織作りをしないと、いま以上に会社を大きくすることもかなわないだろうなって。
藤 組織作りについてはどんな勉強をしてるんですか?
清 青年会議所に入会して基礎を学んでます。私、就職をしたことも組織に属したこともなかったので、いろいろなことが勉強になってます。特に素晴らしいと思ったのが、リーダーを半年~1年で切り替えるという部分。うちの会社って、まだ誰がリーダーにふさわしいかわからないんですよ。平均年齢28歳ですし、みんな若くて勤続年数が浅いので。だからとりあえず全員にリーダーをやらせてみようと思ったんです。10人制の部署に分けて、半年の任期でリーダーを指名して。もちろん最初はうまくまとめられないですよ。でもその子はリーダーの苦労を理解することができる。しかも、事前に「半期でおしまい」とアナウンスしてるから、降格するわけでもないですし。
清 そう。だから、その人のモチベーションを落とさない状態で、次のリーダーを育てることができるわけで。あと一度リーダー経験した人って、大変さを知ってるから「次のリーダーを支えてあげよう」って思うようになってくれるんです。
藤 ものすごくいいサイクルですね!
清 そのやりかたを学んで実践するようになったおかげで、70人という大所帯をまとめられるようになりました。会社が成長してこれたのも社員たちがいい方向に育ってくれたおかげですね。
藤 人がどんどん育って会社のベースがしっかりすれば、会社自体も大きくなりますもんね。
清 チーム力は大事ですね。3.11や消費税増税などで世の中の消費が落ち込んでいる中でも、うちは120%の業績を伸ばすことができたんですよ。それもみんなが仕事に対して高いモチベーションを持ってアイデアや、お客様に対する親切心を持ってくれているから。やっぱり“会社は人”ってことですよね。