8坪から年商10億へ。キャバ嬢ドレス販売「sugar」の異常な成長率

2015.06.19
by レモン
 

細かい気配りでより幅広いファン層を獲得

images-0003_ 私もネットで洋服を売ってるのでいつも思うんだけど、商品を送るときの荷造りってどうしてます? 梱包の箱もすごく大事だし、それも評価のうちに入るじゃないですか。例えば自分で着古した服を売ってたときもキレイに包んでたんですか?

 キレイにしてました。オークションって楽天さんと同じくらい厳しくて、必ず評価されるんです。で、その評価の数値って、レビュー以上に重視されてるんですよね。だから返信や配送が遅れるとか、ちょっとでも変な対応があるとそこに反映されちゃうんです。おかげで丁寧な梱包や迅速な発送問い合わせ対応重要さをオークションで叩きこまれました

 過去の経験が生きてますね!

 箱について考えたのは「ダンボールが果たしていいのか?」ということ。私、通販大好きなんですけど、あのダンボールを捨てるのがおっくうで(笑)。だから梱包時の外装を箱か紙袋か選べるようにしたんです。いざ試してみると、圧倒的に袋の方が多くてお客様に選択肢を増やしてあげるなどの工夫も必要だなって思いましたね。

 アイデアが豊富ですよね。いつも他にない物を先駆けて出してる印象がありますし。最近も「sugarさんのヌーブラがすごくいい」という噂を聞きましたよ(笑)。

 ありがとうございます(笑)。使い心地もそうなんですけど、パッケージにも実はすごくこだわったんですよ。一見ヌーブラだとわからないようなかわいいデザインにすることで、「箱もかわいくて好きです」って言ってくれる人も増えたり。ちょっとした心遣い1つでお客様の感想が変わってくることも、やりがいに繋がってます。

かわいいのは当たり前。大切なのは機能性でどう満足してもらうか

 最後にかわいいものを作るこだわりを聞いてもいいですか?

清 かわいいものを作ったり売るというのは当然ですね。ダサいものは売りたくないし、会社のイメージにもかかわることなので。「これがいいな」と思ったものをベースにしてますが、最近は自分よがりになりすぎてもダメだなとも思うんですよね。自分が売りたくて売ればいいって言うのは、若い考え方かなと。お客様が何を求めているかという要望に寄せ過ぎても飽きられちゃうから良くなくて。一番理想的なのは、お客様に「こんなの待ってたんだよね!」って言われるくらい、期待値をくすぐるものを作ること。売り上げって自分の評価のひとつでもあると思うので、その部分を刺激できたら最高だなって。

藤 なるほど。ドレスもオリジナルで作ってらっしゃるんでしたよね?

清 はい。うちは「どういう商品を作ったら喜んでもらえるんだろう?」考えて伸びてきた会社でもあるので、問屋さんにも協力してもらってます。やっぱりお客様の要望をダイレクトに叶えるには自分で作るのが一番早いんですよね。店頭に立ってると、お客様の声を直接聞くこともできますしね。

 どんな意見が多いんですか?

 例えば「スピンドルがきいてないと調整ができなくて不便だ」とか。いろんな声を聞くと、商品自体の質も良くなりますし。デザインだけではなく機能性といったところも考えてこそ、初めて物作りといえるんだろうなと思っているので。だからこそ、いただいた意見をちゃんと形に変えてあげたいなと。

 そのときのパターンナーやデザイナーはどうしてるの?

images-0009_ 私がデザインして、パターンは中国で。パターンナーさんが仮の布で作ってくれたもので様子を見て、違うなと思えば現地で修正をお願いしたり。縫製の状態やビジューの付け方も確認します。取れやすかったら意味がないし。ちゃんとしたクオリティで品質のいいものを売らないと、お客様対する裏切り行為になってしまうので。商品が日本に入ってきてからも、もう一度全部検品します。そこでほつれを見つけたら、うちのスタッフたちが全部お直し。販売するのはそれからですね。

 その工程を全部自分で出来る人ってなかなかいないですよ。ドレスって型が命ですし、生地ひとつでも印象が変わってきますからね。ものすごく細かい作業が必要だから、自分でできちゃうって本当にすごい。それに、作ってる人の大半は男性ですしね。

 そうなんですよね。実際に着たことがない方だと、女の人の悩みもわからないし。ヤセてる人でも下っ腹は出てたりするし、で、みんな胸は絶対盛りたいし。でも窮屈なのは嫌という(笑)。女のコってわがままだからいろんな要望があって。いま言ったことって全部デザインではなくて機能の方なんですよね。その機能性をどれだけ満足させてあげるかといったところが、うちの強みでもあるかなと思ってます。

 だからお客さまも安心して選べるというわけですね。

 かわいいという感覚は、自分たちのカンを信じるしかないです。たまに失敗することや「私の趣味思考っておかしかったのかな?」と思う時もありますけど、それに凹んでるヒマはないので。自分を信じて自分がかわいいと思ったものが発信できて、それで喜んでもらえたら自分の自信にもつながるし。そう感じるからやりがいを持ってできるのかなって思います。夜のお店に行って、「sugarでドレス買ってるよ」って聞くのもすごく嬉しいですし。きっと、その言葉が一番のご褒美ですね(笑)。

 

【今回のゲスト】
images-0013_清水彩子さん
株式会社sugar代表取締役。1982年生まれ。2004年、自分の持っていた洋服をネットオークションに出したことをきっかけに、ビジネスの面白さに目覚める。翌年には、社会人経験のないまま、ドレス販売のショップを開店。自分がドレスを着て飛び込み営業を行うなどユニークなセールス策で売り上げを伸ばし、その活動は人気モデルの注目も集めた。現在では、「sugar」「Jewels」「JEWELS PROM」、ルームウエアの新ブランド「SECRET KEY」という4つの通版サイトと実店舗も2店運営。その年商は10億円にのぼる。清水社長のブログ。

 

 

【聞き手】
fujisima_藤島彩子さん
トムズアンドコレクティブ株式会社代表取締役。美大卒業後、アパレルメーカーにて、MD(マーチャンダイザー)・営業職を経験し、今に至る。現在、トムズアンドコレクティブ株式会社代表取締役。人脈の広さを活かし多岐に渡り、コラボレーションやODMを手掛け、ファッション等の仕事に従事しながら、 ショップチャンネルに出演し自社ブランド『アンコキーヌ』の販売にも注力。ブログ『藤島彩子のブログ』には多くのアクセスと読者がついており人気を博している。

 

 

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