実は農民も江戸時代から「苗字」を持っていたというこれだけの証拠

 

さて、問題は「名字」です。

いくら本家とはいえ、そこから分家したのは今から300年以上前のことです。
江戸時代で庶民が名字を名乗ることが許されない時代です。
庶民も名字を持っていたとはいえ、果たして本当に同じ名字なのか?
正直、私も半信半疑でしたが、これが見事に同じ名字だったのです。

300年以上前に枝分かれし、それぞれ別の土地で江戸時代から昭和まで存続し、交流は全く無くなっている家同士です。
それが、こうして調査を進めてみると同じ名字で出てきたのです。

今回は、ご先祖様をきちんと辿れた(戦国期の祖先まで判明)という満足感の他に「やっぱり江戸期の庶民も自家の名字をきちんと認識していたのだ」という事を自分の調査の中で確認できた事が嬉しかったです。

分家した後も、公には名字を名乗る機会がないにも関わらずその名字は代々伝えられて明治期の戸籍作成時に、本家も分家も離れた場所で同じ名字を役所に届け出たのです。

 ※尤も、庶民も名字を持っていたとはいえ、明治初期に戸籍を作成する際に全く関係のない名字を届け出た事例も稀にですが見られます。しかし、大半は古来の由緒ある名字を届け出て現代に至っているというのが実状のようです。

『自分のルーツ(祖先)を1000年たどる技術』より一部抜粋

著者/丸山学
丸山行政書士事務所代表。相続手続き、会社設立などの行政書士業務を行う傍ら、依頼者の家系図を作成するサービスにも積極的に取り組み、家系図作りのエキスパートとしてテレビ・ラジオ・雑誌等のマスコミ出演も多数。
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