大事なとこだけメモる人は、他を全て忘れるだけの覚悟はあるか?

 

講演会で、事業に成功した経営者などが、その成功の要因について長々と語ったとします。すると、手元のメモに、「信念を貫く」としか残さない受講者が結構います。

いや、確かに「信念を貫くことが大事」と講師の人は言ったけれども、信念を貫くことが大事なのは、普通分かるでしょ。

信念を貫くために何をやったのか、信念が揺るぎそうな時にどうしたのか、という発想や工夫が受講者には大事なのであって、「信念を貫く、と講師が言った」というメモがいったい何の役に立つのでしょう

私も講演や研修をさせて頂く機会がたまにありますが、壇上から見ていると、マインドマップというかメモリーツリーというか、枝分かれタイプのメモを取る人がちょくちょくいます。

あれは、やっている人はほぼダメです。

中心に核となるキーワードを書きますが、もうその時点で間違っている人がいるわけです。見ると、中央に「弘中さん」とか書いてある。講師の名前じゃ意味ないでしょ、それ。

かといって、「今日のテーマはPRです」と言ってもその中央に「PR」と書いてそこから広がるのは、どう考えてもおかしい。そもそも講演の内容が必ず中央から広がっていく、と勝手に構成を決めつけている時点で、もう完全に間違ったメモなのです。

でも、書いちゃったものはそれでいいのだと、勝手に自分で思い込んでしまう。これが、メモの怖いところです。

「ここが大事!」とチェックするのは、いいことです。でも、それは同時に「それ以外はここほど大事じゃない」と決め付けることなのだ、ということをしっかり頭に入れておかなければなりません。

ここだけは大事だが、あとは捨ててもいい、という覚悟ができて初めて、線を引いたりチェックをつけたりできる、という意識を持ちましょう。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

・「大事なところにチェックを入れる」場合には、どのようなルールが必要か。自分なりのルールをもう一度考えて、ノートにまとめる。

 image by: Shutterstock
 
 
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