元「旅行読売」編集長が暴露。「フレッシュな温泉」特有のニオイ

 

ここから先が難しい。 まず塩化物泉。 塩そのものには基本的に香りがないから塩化物泉の匂いに関して言うと、他の含有物の匂いを探す感じになる。

放射能泉や二酸化炭素泉も、それ単体ではやはり香りがないので同じである。

他の含有物の香りについては、炭酸水素塩泉も硫酸塩泉も単純温泉も同じだが例えば強塩化物泉は鉄分を含んでいることが少なくなくて、これなら含鉄泉と同じく鉄錆の香りがする。

また、特に炭酸水素塩泉に多いが、いわゆる「モール臭」をともなうものも多い。 これは太古の植物などが枯れて分解される過程で残った「フミン酸」(腐食質)という有機化合物の香りで、独特の匂いがある。

ただ、このフミン酸は含有量や分解の度合いなどで色も香りも異なるので、一概にこの匂い、と決めつけることが難しい。 とはいえ基本的な香りはあり、僕は「川の匂い」というふうにとらえている。 どこか懐かしくなるような、とてもいい香りで、塩化物泉などにも含まれていることが多い。

また、同じモール臭でも、温泉によっては俗に「アブラ臭」と表現される独特の香りを持つものもあるし、「稲藁のような香り」の場合もある。

含よう素泉の場合は、独特の「薬臭」があることが多い。 理科の実験室のような薬品の香りである。 むろん、塩素消毒の匂いとはまったく違う。

硫酸塩泉はなかなか難しいのだが、含有成分がカルシウムの場合は、かすかにこげたような匂いを感じることがある。 マグネシウムの場合は、かすかだが薬臭を感じることが多い気がする。

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