以上、温泉の香りについて簡単に解説したが、実際には温泉は複雑に成分が組み合わさっていることが多く、その組み合わせで香りは一つ一つ違う。
それが温泉の個性であるわけで、塩素消毒などをしてしまうと、その香りも台無しである。
また湯のフレッシュ感が損なわれると、微妙な香りがわからなくなってしまうことが多い。 その温泉固有の良い匂いがするということは、湯がフレッシュだと感じられることにつながっていると思う。
温泉の微妙な「香り」を嗅ぎ取るには、湯口の湯が注がれているところで、湯船にドボドボと流れ落ちているところでクンクンするとわかりやすい。
個人的にはやはり硫化水素臭と、モール臭が好きである。 特にモール臭を湯口のそばで嗅ぎながら、ぬるめの湯に浸かっているのは至福のひとときだ。
これはやはりフレッシュな温泉でないと、存分には楽しめない。
その温泉固有の香りを感じたときには、ああ、フレッシュ感があるなぁ、と思うわけである。
長くなったので、今回はここまで。 次回は温泉の色とフレッシュ感について書いてみようと思っている。 お楽しみに。
image by: Shutterstock.com