「自分が○○をしたから」ではなく「相手が○○を喜んだから」
分かりやすいので「お金」で話をしますが、「ほしいもの」を手に入れるプロセスはすべて同じなので、置き換えて読んでみてください。
といって、「私のほしいものは特殊なので──」という置き換えになったらズレてしまうのですが、ずっとレッスンを受けているあなたなら大丈夫でしょう。
「お金がほしい」「お金が必要」と思ったとします。
具体的に、「○○を買うために」「○○したいから」という目的や欲求の実現手段として「お金が必要」に行きつくのが普通です。
次に、必要な額のお金を手に入れる方法を考えますね。
仕事をする人もいれば、投資を考える人もいれば、宝くじを買う人もいる。
子供の頃なら、まずは「親におねだり」でしょうか。
大人のあなたは「仕事」を考えるでしょう。宝くじではあてになりませんからね。
プロとして仕事をしているなら、仕事が評価されれば報酬が増えます。
「仕事が評価される」とは、上司に褒められることも含まれますが、本質は「お客さんが増える」「お客さんからお金をいただける」ということ。
「仕事への評価が高まると、お客さんからいただくお金が増える」──これが仕事の本質であり、ほしいものが手に入る本質的なプロセスです。
「仕事への評価」とは、お客さんが喜んだ、お客さんの役に立った、ということ。あくまでも相手本位なんですよね。
お金をいただけるのは、「自分が○○をしたから」ではなく「相手が○○を喜んだから」。
画家が「おれの描く絵は芸術だ。素人の注文でほいほい描くつもりはない」と気取って、注文に応じず好き勝手な絵を描いて、結果的にまったく売れなかったとしたら、仕事をしていることにはなりません。
お客さんを喜ばせていないのだから、自己満足のアマチュアです。
「やりたいことだけをやって食べていける」のが理想と思うかもしれませんが、非常に危なっかしい考え方でもあります。
「やりたい」は自分本位だからです。「お客さんが喜んでくれること」と「自分がやりたいこと」を先に一致させなかったら、たんに好き勝手にふるまっているアマチュアに過ぎないので、お金はいただけません。
「絵を描くのが好き」程度の漠然とした捉え方で全体を「やりたいこと」とするなら、大丈夫。
しかし、「画材を買いに行くのは面倒くさい」「画商とお金の話をするのは苦手」等など、付随する行為を細かく分けて「これは好き、これは嫌い」と選り好みしたら成功しません。
絵にまつわるすべてをひっくるめて「好き」と背負い込むつもりなら、「やりたいことだけをやって食べていける」ようになるでしょう。
さて、あなたはプロだから、仕事でお金を手に入れることに決めた。
自分のビジネスをもっと充実させて、収入を増やす、という方向です。