【8つの説】なぜ工事用の一輪車は「ネコグルマ」と呼ばれるのか

 

さて一番の関心、なぜ猫車と呼ばれるようになったかである。結論から言えば諸説あるが、確定的なものはなく不明である。いつ頃からそう呼ばれたかもわからない。ネコグルマという呼び方も日本独特のもののようである。英語ではa wheelbarrow。その由来などをネット及び故事語源辞典などから列挙してみた。

  1. 猫の首のように、どの方向にも曲げられることから。
  2. 逆さに伏せてみると、底の部分が丸まって寝ている猫の背中に似ていることから。
  3. 工事現場などの細い板で作った足場を「猫足場」と言い、そこを通ることが出来る運搬車なので…。
  4. 猫のように運ぶ時、ゴロゴロと音を立てることから。
  5. 漆喰(しっくい)を練った「練り子」を運ぶために用いられたので、略して猫車に…。
  6. 古代、海岸や河口で取れる砂鉄のことをネコと呼んだ。奈良時代以後、山で取れる鉄鉱石もネコと。こうした鉄の鉱石を運ぶのでネコグルマと。
  7. 昔、猫の後ろ両足を持ち上げて、前両足で歩かせる遊びがあり、その格好と一輪車でものを運ぶ格好が似ていることから。
  8. 中国の三国時代、蜀で兵糧運搬用に開発された木牛流馬と呼ばれた運搬道具の小型モデルが一輪車に相当するのではないか。「木牛流馬」のことはフリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)にも載っている。

以上、諸説いろいろだが果たして…。それにしてもこうもさまざまな由来の説があるのも面白い限りである。

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『安曇野(あづみの)通信』

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