アメリカに関する現状認識
さて、ナヴァロさんは、「アメリカの現状」についてどう認識しているのでしょうか?
- アメリカは、膨大な財政赤字を、「軍事費削減」により解決しようとしている。
- アフガニスタン、イラク戦争の失敗で、アメリカ国民は、「戦争疲れ」している。
- 「新孤立主義」が台頭してきている。
これらの理由で、ナヴァロさんは、日本人の「現在の対米観」を以下のように結論付けています。
アメリカは、少なくとも日本から見れば、もはや軍事的義務を果たす経済力のない、政治的に無気力な、防衛予算の優先順位も正しく決められない国だということになる。
(同上)
ずいぶん自国に厳しい意見ですが、ナヴァロさんはオバマ政権を見て、こう考えていたのでしょう。そして、彼の意見に賛成の読者さんも多いと思います。
では、日本はどう動くか?
こういう現状認識と、中国の脅威の高まりを踏まえ、日本はどう動くのでしょうか? ナヴァロさんは、三つの可能性を想定しています。
- 中国に乗り換える
- 日本は、核武装する
- ぶれない同盟国であり続ける
日本が、中国に乗り換えれば?
1.中国に乗り換える
を見てみましょう。ナヴァロさんがこの可能性を考えていること、驚かれた人はいるでしょうか? しかし、考えてみてください。小沢一郎さんが、「私は人民解放軍の野戦軍司令官です!」と宣言したのは、わずか8年前のことです。親中野党が、政権をとる可能性は、常にある。また、自民党内にも、親中派が山ほどいる。こういう現状でアメリカが、「日本は中国に寝返る可能性があるよね」と考えるのは当然でしょう。
では、寝返ったら、日本はどうなるのでしょうか? ナヴァロさんは、
- 日本は、尖閣を中国に譲ることになる。
- 東シナ海の漁業、石油・ガス利権を失う。
- 日本は、沖縄を失う(沖縄は中国領になる)。
極めて真っ当な予想です。皆さんご存知のように、中国は、「日本には、尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない!!!」と宣言しています(必読完全証拠はこちら。「反日統一共同戦線を呼びかける中国」)。
日本が中国に「寝返る」とすれば、それは事実上の「敗北宣言」ですから、沖縄を献上するハメになるでしょう。