新たな挑戦をリスクとしか考えない「保身」上司が会社を潰す

 

現場からデータや試算などを踏まえてプレゼンするも「そんな簡単にうまくいくわけないだろ」と判断し、話をお蔵入りにしてしまいます。お蔵入りだけならまだしも、活気づいてる営業マンのモチベーションを奪っていくのです。こうした人は「リスク回避をした」と得意げになったりするのですが、それは間違いです。リスクを回避したどころか、将来に渡っての芽を摘んだことになるのです。

机上で物事を考え、損得勘定で動く人、自分の保身を考えている決済権者は、会社の未来の芽を摘み取ります。未来の芽というのは、たとえ、1つ新しいことにチャレンジしてそれで結果が出なくても、それを糧にできる芽です。

先述した、会社では決済権者が役員ということもあり、「もしその商品がヒットしなかったら、自分の立場が危ない」というところに頭が行っているということが分かりました(結局は、GOサインが出たものの大幅に予定が遅れ、たくさんロスが出ました)。

そんなくだらないことで、芽を摘もうとしているのです。もし、この決済権者が、未来人材や会社組織にとってに目を向けていれば、たとえ、その商品が売れなかったとしてもその結果を糧にすることできます。次はどんな戦略を立て、どう動けばいいか? あるいは、どのような商品なら受け入れられるか? と献策を講じ改善点を見つけ、会社は発展していくでしょう。しかも、スピード感が出て組織も活気づきます。

つまり、1つの商品、プロジェクトが成功するかどうか、というところが問題ではなく、「とりあえず動いてみよう」「やれるとこまでやってみよう」という「行動ありき」の判断を下し「責任は自分が持つ」くらいの器量が決済権者には求められます。「リスクが怖いからやめときましょ」「失敗したら自分が責任を取らなくちゃいけないからやめときましょ」ではないのです。

とにかく動いてみて、その商品が思い通りに売れなかったとしても、「なにがどういけなかったのか?」という原因を探り改善するといった分析力や改善力が養えるし、今まで全く気がつかなかったことも発見できることもあるし、市場がどのようなものを求めているのか? という新しいニーズをつかむこだってできるのです。

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