なぜアメリカのシリア攻撃は、「国際法違反」なのか?
では、今回のアメリカによる「シリア攻撃」はどうなのでしょうか?
攻撃したのはアメリカ。攻撃されたのは、シリアです。理由は、シリアのアサド軍が、反アサド派支配地域を空爆し、86人が亡くなった。そのとき、「アサド軍は、化学兵器を使った可能性がある」。
まず、アメリカ軍が攻撃されたわけではないので、「自衛権の行使」ではありません。次に、「国連安保理」はどうでしょうか? 国連安保理では、いつものようにアメリカとロシアが激論をかわしていました。それで、もちろん「武力行使容認の決議」など、出ていませんでした。
というわけで、アメリカの「シリア攻撃」は、「明白な国際法違反」です。ところが現実を見ると、ロシア、イラン以外のほとんどの国が、アメリカのシリア攻撃を支持しています。今の「国際法」「国連」「安保理」などが、「機能不全」におちいっているのは、明白ですね。