ドン底を味わったマクドナルドが、したたかに進めている「脱却」

 

マクドナルドに学ぶメニューの表現

次に学びたい点は、顧客価値に訴えかけるコンセプトの明確化と各メニューの表現だ。

まず、「おいしさ向上宣言」と銘打ち、情緒的な価値に照準を合わせていることで、値段の安さ、という土俵で戦っていかないことを表している。

値引きや安値での勝負では、言うまでもなく営業利益が下がり、体力勝負になるので、企業にとっては得策でないことが多い。しかし、価格をやみくもにあげるだけでは、顧客が離れる、というジレンマがある。

したがって、マクドナルドもレギュラーより若干高いグランを出し、顧客単価を上げることをはかったのであろう。しかし、同時に単価200円の低価格帯バーガーはもちろん残し、それを、「おてごろマックというカテゴリー名にしている。

どうしても、目先の売上を確保するために、「今だけ、200円引き」などと値引きをしてしまうケースを見かけるが、その際にも、数量的な値引きを訴求するのではなく、「いいものがお値打ちに手に入るという表現をするだけで、顧客が感じる価値が変わってくる。

これからも、マクドナルドの、「おいしさ向上宣言」の第4弾以降が楽しみだ。

image by: Takashi Images / Shutterstock.com

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