織田信長の改革を「経営のイノベーション」として見ると?

 

信長より学べること

革新は、目的を達するために一切の「先入観なし」に考えぬかれて実行される方策です。

イノベーションは「鉄鋼船の建造」や「鉄砲の三段打ち」といった劇的なものが分かりやすいのですが、それとは別にもっと根幹にかかわるもので「天下布武」のような価値観のイノベーションもあります。

また、名物(茶器)を有する事に高いステータス性をもたせ、一国一城に匹敵する価値もつけました。「名誉心の活用」は同時代でも行っていた方策ですが、名物(茶器)を大いに活用したことは自身の趣味でもありますが「報償のイノベーション」とも言えます。

イノベーションは、どの場所でもどの時代でも「社会改革」にまでもつながることもあります。

アメリカの世紀的なイノベーションには、「エジソンの発明」があります。そして、その教え子にもあたるヘンリー・フォードの「製品の標準化」と「部品の規格化」による生産方式があります。

フォードは、ベルト・コンベヤー方式により「生産方式」のイノベーションを行っていますが、それと同じくして「雇用のイノベーション」も行っています。

彼は、労働者に当時の倍である日給5ドル、週40時間労働という条件を提示し、入れ替わりがあったものの安定した「労働者」の確保を実現しました。その結果、レベルの高い安定した生産を可能にして大量の「T型フォード」の生産が可能になりました。

大量生産は大幅なコストダウンを実現し当時1,000ドルだった販売価格の半分以下の価格を実現して大量消費につながりました。

さらに、このことの余波は他の企業の賃金アップのきっかけをつくり、アメリカ社会の中間所得層を形成することになりました。その結果、フォードが意図したことであるかどうか分かりませんがアメリカ社会の大量生産、大量消費の時代を切り開くことになりました。

これは「信長の改革」と同じように「社会を巻き込んだイノベーション」と言えます。

image by:Shutterstock

 

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