【逆オイルショック】原油安とロシア通貨安で市場は動揺、圧倒的なプーチンの支持率からロシアルーブルは買い!

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『山崎和邦の投機の流儀』第133号(2014年12月21日号)

ロシアは輸出の7割を原油とガスで占めるし、国家予算の半分を原油資金で占めるという大国である。

今回の原油安は73年のオイルショックに対して逆オイルショックと言われたが、前者のオイルショックは実体経済・産業に関する問題で、資源不足が第2次大戦の淵源になったというDNAを脳裡に刻まれている日本は、ショックの前年72年の大発会は2,700円台が1年後に5,300円台に上昇したという大相場の後、その秋に第4次中東戦争で原油を対イスラエルの武器とした中東が原油高を仕掛け、日本は大いに慌てて、トイレットペーパーがなくなると騒いで主婦が店の前に長蛇の列をなしたという社会現象も惹起した。

日本は、そのオイルショックを契機として、1955年から続いた高度成長の幕を引き「安定成長またはゼロ成長」の時代に入った。

今回の「逆オイルショック」は、先進工業諸国にとってはプラスのはずだが、実体経済・産業に大プラスでもルーブル不安という金融市場の神経機能はまた別である。

アジア通貨危機の後の、98年のロシア通貨危機を契機として、その前年のノーベル賞受賞のショールズ・マートンが取締役をしていたファンド、LTCMが破綻し、規模が大きいので政府が面倒を見なければならかったという騒ぎが起きた(★註)。

これを想定するから、ルーブル危機は世界中が必要以上に騒いだという気が
した。

筆者はロシアには何回も行ったが、プーチンの支持率は高く(80%くらい)、筆者が頼むロシア語通訳はモスクワ大学(日本で言えば東大)のアジア・アフリカ諸国学部の大学院生も、彼の友人たちも、史上の三大指導者を上げろと言えば、ピョートル大帝・レーニン・プーチン、だと言う。プーチンはサンクトペテルブルグ大学(日本言えば古都だから京大というところ)出身でKGB幹部だった。権謀術数はお手のものだろう。筆者は必ずプーチンがロシア経済を立て直し、彼が就任した時のルーブル相場(5円超のこともあった)に建てなおす時もあろうと思う。

人には嫌われてもカネ儲けの旨い人が時々いる。プーチンはそれだろうと筆者は思っている。

(★註)実はこの学者は一度ならず2度目も破綻したことはあまり知られていない事実である。彼らは自信家だから、自分の理論に対する揺るぎなき自信に市場が罰を加えるのだ。またこうも言える。自信と信念を以て行動する市場人には迷いや悩みがない。故に儲ける資格がないのだ、と。

後述するが筆者は、この騒ぎの間にルーブル投資を少々してみた。W・バフェットさんが言う「街に血が流れているときに買うのだ」と。

 

『山崎和邦の投機の流儀』第133号(2014年12月21日号)
著者:山崎和邦
野村證券、三井ホームエンジニアリング社長を経て、武蔵野学院大学名誉教授に就任。投資歴51年の現職の投資家。著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)など。メルマガ「週報『投機の流儀』」では最新の経済動向に合わせた先読みを掲載。
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