遺族年金で「18億円の過払い」が判明。なぜ、払い過ぎは起きたか

 

前の旦那が亡くなった事で遺族年金を貰ってたけどその後に再婚したという案件はよくありますが、再婚という新たな生計維持関係が出来ると遺族年金は消滅します。また、正式に婚姻届を出す形ではない事実婚内縁関係でも消滅する。特に婚姻届を出さない形である事実婚は戸籍の移動がないからより一層把握が難しい。

この再婚した後に遅れてしばらく経って事情を年金事務所に話したら、再婚以降に支払い過ぎた遺族年金は返してくれって話になります。再婚すると、遺族年金は消滅しますが遺族年金が無くなると知って婚姻を慌てて解消しても遺族年金は復活しません。婚姻の事実が発生した時点で遺族年金は消滅するから。

婚姻してるのにその事実を届け出ないと、遺族年金が支払い続けられてしまい過払いが発生してしまう。もちろん、過払い分は本来は貰ってはいけない年金なので返金してもらわなければならない。ただし、返金は直近5年分まで。その5年を過ぎた分は時効だから、返金が求められない。

今回の過払いの18億円の内、8億円は時効を迎えてるっていうんだからどんだけ放っていたんだ!? って感じですよね。しかも今回の過払いの中には50年くらい支払い過ぎていた者がいたっていうんだから仰天です。

事実を届け出なかった本人が一番いけないですが、年金機構も遺族年金についてはリスク管理としては問題があったという所でしょう。やはり、再婚とか養子縁組とかそういうのも失権事由にあるわけなんで、遺族年金受給者に関しては市区町村から戸籍情報を確認するという事も必要だったと思う。

とはいえ、例えばその他の法律や税金に関しても「知らなかった!」なんて通用しないわけですからね…。マイナンバーが導入されてきたから、こういう事も無くなってくるとは思うんですけどね。どうなんだろ。

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