強気の中国。米との対立姿勢が鮮明の習近平は新しい神になれるか

 

一期目の習近平主席は江沢民、胡錦濤元主席ら長老たちに遠慮していたせいか、自らの思想、政策を明解に語ることがなかった。しかし腐敗追及で有力政治家や軍幹部、地方官僚を次々と放逐し、自らの側近を重要ポストに抜擢するにつれ習近平思想が明確になり、一強支配の基盤を固めたのである。

残る5年間で習近平の唱える「中国の夢」を実現し、大国外交で新興国の支持を取り付けられるか──グローバル世界の中で新しいモデルを作るためのアメリカとの本格的競争が始まった

経済では自由競争社会の中に身を投じながら、あくまでも中国的社会主義を貫く道をどのようにして実施するのか。時として自由主義社会の理念やルールと衝突しても構わないということなのだろう。その時、自らの国力と相手の出方によって対応を変えれば、本当のリーダーにはなれまい。

(財界 2017年11月14日号 第460回)

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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