日本とは違う意味で過酷?「AO入試の本場」アメリカの受験事情

 

スポーツやボランティアはどうか?

日本では、いわゆる受験校では、部活は「高校2年の秋」に引退するという ことになっていますが、アメリカの場合はどうかというと、全く逆なのです

受験だから引退などというのは「問題外」であり、受験だからこそ「出願の時点で必死で部活をやっているアピールが必要」とされます。  

課外活動に加えて、学外での社会的活動も評価の対象となります。例えば、 医科大学院志望であれば、病院でのボランティアというのは重視されますし、 理系の研究者志望であれば大学や研究所でのインターン経験というのは評価さ れます。行政や政治を専攻するのであれば、市役所のインターンや、救急救命 隊(EMS)でのボランティアを経験していることが重要です。   

そんなわけで、アメリカの大学入試は、「AO」と言っても全く楽ではありません。多角的な選考がされる「全人格選抜」とでも言うべきハードなものとなっています。就職の状況が厳しい現代では、とにかく「少しでもいい大学 へ」という思いから受験戦争は過熱の一途を辿っています。   

そのために高校生には過密なスケジュールをこなしつつ、学校の成績を上 げ、SATでは良い点を取るというプレッシャーに耐えるようなタフネスと、 計画的な「タスク処理能力」が求められるようになっています。

日本とは全く う受験戦争ですが、これはこれで過酷なものとなっているのです。

image by: Rob Crandall / Shutterstock.com

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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