スポーツやボランティアはどうか?
日本では、いわゆる受験校では、部活は「高校2年の秋」に引退するという ことになっていますが、アメリカの場合はどうかというと、全く逆なのです。
受験だから引退などというのは「問題外」であり、受験だからこそ「出願の時点で必死で部活をやっているアピールが必要」とされます。
課外活動に加えて、学外での社会的活動も評価の対象となります。例えば、 医科大学院志望であれば、病院でのボランティアというのは重視されますし、 理系の研究者志望であれば大学や研究所でのインターン経験というのは評価さ れます。行政や政治を専攻するのであれば、市役所のインターンや、救急救命 隊(EMS)でのボランティアを経験していることが重要です。
そんなわけで、アメリカの大学入試は、「AO」と言っても全く楽ではありません。多角的な選考がされる「全人格選抜」とでも言うべきハードなものとなっています。就職の状況が厳しい現代では、とにかく「少しでもいい大学 へ」という思いから受験戦争は過熱の一途を辿っています。
そのために高校生には過密なスケジュールをこなしつつ、学校の成績を上 げ、SATでは良い点を取るというプレッシャーに耐えるようなタフネスと、 計画的な「タスク処理能力」が求められるようになっています。
日本とは全く う受験戦争ですが、これはこれで過酷なものとなっているのです。
image by: Rob Crandall / Shutterstock.com