というわけで、国はワクチン投与を推奨したが、投与された少女の中に、全身疼痛から始まり、口内炎、記憶障害、学力低下等々のかなり重篤な副作用が起こるという事例が報告されて問題になり、現在ではワクチン投与を受ける人はずいぶん減ってしまったようである。この副作用にはHANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)という名前までついているが、本当にワクチンの副作用であるかどうかについては疑問なしとしない(もちろんワクチン投与の後で、上述の症状が出た少女がいたのは事実であるが、その原因がワクチン投与であるかどうかはまた別の話である)。似たような症状を訴える人はワクチンを打たなくても現れるからである。
副作用が出る人も稀にいるかもしれないが、副作用が出なければ将来子宮頸がんで苦しむリスクは大幅に減ることは間違いない。デメリットとメリットを計りにかけてどちらをとるかという問題である。私個人としては接種のメリットの方が大きいと思うが、こういうデリケートな問題に関しては、国が接種を強制するのも禁止するのもよくないと思う。自己決定が苦手な大方の日本人には、難しい話かもしれないね。
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