『子育ての大誤解 上・下』
子供の頃には読み聞かせを、3歳までは母親自身ができるだけ手をかけて育てる、感情的に叱らない、たくさん抱きしめる……理想の子育てのためのハウツー。実はそれがほとんど意味も根拠もないことだとしたら…。子育てに関する俗説を豊富な実例を元に論破しまくる。分厚い本ですが、読む甲斐がありますよ。子育てが難しくなりすぎて自分にはムリと感じている方に。
『暴力の解剖学』
頭蓋骨の奇形が犯罪を引き起こすと主張したロンブローゾ。一見荒唐無稽に思われるこの説が、改めて脚光を浴びている。この本は幾多のデータから犯罪に生来的遺伝的要素があることを伝える。人種差別的に利用されかねず、実に危険。だが一方で、人間が本来均しくないという、当たり前の恐るべき事実を呈示する。ロンブローゾを嗤った方に。
『世界のへんな肉』
あなたは犬のダックスを食べたことがありますか。ナイよね、フツー。それどころか「そんな残酷なことを言うなんて!」と思うかもしれない。この本ではそんなフツーの日本人が世界を旅して、いろいろな肉を食べるお話。食べモノとしての肉と可愛いペットあるいは畏怖と尊敬の対象たる動物との境界線は、どこか。それはすなわち、命の範囲と根源を問われること。牛も豚も鶏も食べるのにダックスは食べないなら、是非。
『ナオミとカナコ』
夫・達郎からDVを受けているカナコは、親友のナオミと達郎を殺害する計画を立て始める──-「こんなガラクタ男となんで一緒にいるんだ!」「最初にやり返さないからダメなんだよ」とこれを読んだ夫が怒る怒る(^Д^)。不当な扱いを受けたときには、即座に異議申し立てをする。それをしない結末が殺害という恐るべき結果なのだと思う。暴力と反抗を考えたいときに。
『料理は女の義務ですか』
家庭の料理が難しくなりすぎて、二極化している───家事系メルマガを書いてきて、そう感じる。この本は、まさに私のこの感覚を文章で表現してくれている。歴史を俯瞰しながら家庭料理を考えており、日本の家庭料理が歴史的にみてどんな場所にいるのかよく解る。なんで毎日食べるもののことばっかり考えてなきゃならないの?と思う方へ。ま、タイトルはもうちょっと考えた方がもっと売れるんじゃないだろうか。
本は読み慣れておくこと。それが、家庭内の人間関係や家事や子供の教育やDVや老後の不安を具体的に解消してくれる基礎力になるんですよ。
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