SNS相談は、子供たちにとって身近な相談方法です。ただ、学校などで、SNS相談を強調すると、「スマホがないと相談できないんだ」と思い込む子も多いと思いますし、スマホを欲しい子供たちには、スマホを買う良い口実を与えることにもなります。ですが、子供のスマホ所持は、LINEいじめやスマホ依存など、その弊害が問題となっています。また、多くの小学生は、まだスマホを持っていません。したがって、ことさらSNS相談を強調するのではなく、電話相談、メール相談なども一緒に伝えることが大切です。
もう一点述べておきますが、いじめの相談は、1回のやり取りだけで解決できるような事案はほとんどありません。何度も、何度もやり取りすることは避けられません。また、相談員が直接、学校や教育委員会に連絡することも必要になります。SNSによる相談であってもここは変わりません。今後、本格化するSNSによる相談システムも、「解決するまで関わるんだ」という強い姿勢を忘れないでいただきたいと思います。
今後も試行錯誤はあると思いますが、全国で展開されていくSNS相談に注目していきたいと思います。
いじめから子供を守ろう ネットワーク
松井 妙子
注:スマートフォン所有率は、高校生は94.8%、中学生は51.7%、小学生は27.0%(内閣府「平成28年度青少年のインターネット利用環境実態調査・調査結果」)
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