年金支給を70歳超えまで繰り下げた人は、いくら得をするのか?

 

※注意

老齢厚生年金または老齢基礎年金どちらか一方のみを繰り下げてもいい

さて、5年を超えて繰り下げが出来るようになるというのはどういう取り扱いをするかはわからないですが、このまま繰り下げ期間を引き延ばすだけであれば問題もあります。それは繰り下げ中(以下、繰り下げ待機中という}に本人が亡くなった場合です。

上記の人の65歳時点の年金額160万円を用いるとして、年金をもし65歳から繰り下げ待機中で年金を貰ってなくて、仮に69歳で亡くなったとします。そうすると、亡くなった本人は1円も年金貰わずじまいになってしまいますが、65歳から69歳まで貰えなかった年間160万円×4年=640万円は一定の遺族の請求により未支給年金として支給されます(未支給年金は一時所得として課税)。

一定の遺族というのは貰う順位があって、本人の死亡当時生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、三親等以内の親族の順で最優先順位者が未支給年金を請求して受け取ります。生計を同じくというのは簡単に言うと一緒に住んでたとかそういう意味です。だから、繰り下げ待機中で例え本人が途中で亡くなっても、そういう遺族がいれば未支給年金という形で今まで貰わなかった分の年金は支払われるわけです。

しかし、この未支給年金は時効が5年までしか遡らないんですね。未支給年金に限らず、年金は5年の時効があります。繰り下げが73歳まで出来るようになったとして、65歳から繰り下げ待機中で72歳で亡くなった場合は67歳までしか遡って遺族は未支給年金を貰えません。

最大過去5年間までの貰ってなかった年金を貰うから、160万円×5年(67歳から72歳までの分)=800万円の未支給年金。つまり、65歳から67歳になるまでの2年分160万円×2年=320万円は時効で消滅してしまいます。だから時効には気を付けたいところですね。

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