泰明小「アルマーニ問題」なぜ校長は独断できてしまったのか?

 

さて、先日、ワイドショーを賑わせたのは、アルマーニの標準服問題です。銀座にある東京都中央区立泰明(たいめい)小学校が「アルマーニ」の制服の導入を決定し、一式の価格が、これまでの2.5倍の8万円ほどになるとのことで、多くのマスコミに取り上げられました。制服の着用は強制ではないとされてはいますが、実際上は着ないわけにはいかないことや、公立小としては、その価格があまりにもかけ離れているとのことで議論を呼んでいます。

価格もさることながら、この制服の決定に至る過程に「学校」という組織の問題点が現れているように感じます。報道を読む限りですが、校長がPTAにも相談せずに、上位組織にもはからずに、自分一人で制服を決定したというのです。個人商店や個人事業主であればそのようなこともあると思います。しかし、中央区によって設置された区立の学校で、許可を受けることもなく決裁できるという点は、ある意味、組織のシステム上の不備ではないでしょうか。校長の権力に対しての監視機能がないことは問題だと思います。

一般的に「権力」が与えられているという背景には、その人に権力を与えても濫用はしないだろうという信頼があり、その信頼があるからこそ、その役職なりが与えられているのだと思います。権力を持つ側としては、自分にその力を委ねてくださっている方への責任を背負っているわけです。権力者の「決断」において、関係者のためにならないもの、つまり、関係者の喜びや幸福感、さらには関係者の成長につながらないものは、自己満足であり「職権濫用」でしょう。

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