マタハラを乗り越えた女性が乗せられる「マミートラック」の非道

 

深田GL 「マタハラを分類すると、4つに分かれるそうだね」

大塚 「あぁ、『価値観押し付け型』とか『いじめ型』とか、あの分類ですね」

深田GL 「『子どものことを第一に考えないとダメだろう』とか女性は妊娠・出産を機に家庭に入るべき、家庭を優先すべき、それが幸せの形だと思い込む人が引き起こすマタハラが『価値観押し付け型』だね」

E子 「女性が夜遅くまで残業するのは気の毒だろうとか相手のことを思いやるんだけど、女性側の意思は無視してるんだよね。悪意はないからこそ、やっかいな存在って感じ」

深田GL 「『いじめ型』っていうのは、妊娠・出産で休んだ分の業務をカバーさせられる同僚の怒りの矛先が、妊娠や育児中の女性に向かってしまうケース。本来なら業務や人員の管理をする会社側に向かえば良いのに本人に向けて発してしまうんだろうね」

E子 「『迷惑なんだけど…』『いいよね、休めて』とか言われるパターンね」

大塚 「長時間働けなくなった社員を労働環境から排除するのが『追い出し型』のマタハラですね。『残業出来ないなら困るんだけど』とか『子どもが出来たら辞めてもらう』とか」

深田GL 「所長、昔だったら、『うちには、産休・育休はない』ってはっきり宣言する会社も珍しくなかったのでは?」

所長 「そうだね。友人が勤務していた社労士事務所でも、昔は代わりの人を入れられないから辞めてほしいって言われたっていってたもんなぁ…。さすがに今は無いけど、一般的な会社では、いまだに妊娠したら原則辞めさせられるという会社もまだあるみたいだねぇ…」

新米 「社労士事務所がですか…」

所長 「20年も前から、ネットで無料相談をしてきたけど、これは明らかに違法行為。いかに企業の法律に対する認識が低いかということが分かるけど、法律よりも『会社の慣例』が優先されてしまっていることもあるんだ」

E子 「マタハラ被害の多くは、この『追い出し型』みたいですね。日本の風土と言われると、ちょっとつらいです」

所長 「『パワハラ型』といわれるのもある。長時間働くことが美徳という会社が、日本にはまだあるだろ。長時間働けない育児を抱える女性は半人前という労働文化が。『時短勤務なんて許さない』『定時で帰る正社員はいらない』『妊婦でも特別扱いはしない』などね」

深田GL 「世の中に産休や育休、短時間勤務といった制度はあっても、それは特別なんだ、利用することは良しとしない、という職場の風土がある会社もまだあるってことですね」

所長 「女性は3つの関所を通過しなければ、妊娠・出産・育児をしながら働き続けることができないとも言われているわね」

新米 「3つの関所?」

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